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広島花幻忌の会(原民喜文学の研究・継承)

当会は、原民喜の文学を愛する人々の集いです。会からのお知らせを随時更新します。

2019年 原民喜 春の碑前祭 「花幻忌の集い」ご報告①

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今日、3月13日は原民喜の命日「花幻忌」です。

広島花幻忌の会では今日に先だち、10日(日)に広島平和記念館東館 会議室にて毎年恒例の、命日の集いを行いました。

あいにくの雨天で参加者は若干少な目でしたが、参加者相互の交流ができる、心温まる会になりました。皆さまへの御礼と共にご報告申し上げます。

 

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はじめに献花、黙祷を。

 

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広島女学院中学生 による詩の朗読。民喜の詩「碑銘」「魔のひととき」「風景」「永遠のみどり」など、頑張って読んでくれました。

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広島花幻忌の会 事務局長を務め、詩人としても詩作を続ける 長津功三良さんは

自作の方言詩を。

 

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広島県詩人協会会員で詩人の八木真央さんによる、自作詩の朗読。

「ひかり」と「混色」。

心のこもった温かみのある作品でした。

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その後、長崎から駆けつけてくださった、活水女子大学文学部教授・詩人の田中俊広さんのショートスピーチ。短い中にも民喜文学への深い造詣を感じさせられる内容でした。

 

続いて昨年末ギャラリー交差611で行われた「原民喜ーかすかにうずく星」展示の報告を。スライドを交えて語ってくれたのは、展示総合ディレクターを務めた、画家の手嶋勇気さんです。

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上のスライドは、最終日のイベント(作家たちの座談会)の様子です。

 

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会員で研究者の中村朋子さん(前広島国際大学教授)、ウルシュラ・スティチェックさん(広島大学非常勤講師)は、75もの言語に翻訳された原爆文学を検索できる「原爆文学検索サイト」についての報告と紹介を。大変貴重な素晴らしい研究成果です。本当にありがとうございました。(②へ続きます)

#原民喜 #花幻忌 #平和 #原爆詩  #永遠のみどり

「原民喜ーかすかにうずく星ー」展 が始まりました

11/29(木)から始まった企画展 「原民喜ーかすかにうずく星ー」。
若手画家の手嶋勇気さんの手になるディレクションにより、民喜の作品が彼と
同じ時代に広島で活躍した作家たちや、現在広島を拠点に活動する作家の芸術
作品と共に、新しく蘇りました。
民喜の生家から徒歩1分という場所に位置する、ギャラリー交差611と広島花幻忌の会の
共催による、初めての試みです。ギャラリーは2階と3階の2フロア。2階は民喜と同世代
作家の作品を中心に。3階は現在広島で活動している作家たちの作品を展示しています。


手嶋勇気さんが民喜作品に影響を受けて描いた「かなしい景色」。

「鎮魂歌」をテーマに描いた、画家ガタロさんの最新作も。
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会場には、沢山の方々が足を運んでくださっています。

初めての週末の11/30(金)午後7時からは 原民喜研究者ウルシュラ・スティチェック
さん(広島花幻忌の会会員・広島大学非常勤講師)を囲んで読書会が開かれました。

テキストは、民喜の遺作である「心願の国」。

ポーランド人のウルシュラさんは、1980年代ワルシャワ大学在学時代に民喜作品に
出会い、更に深く民喜の文学を研究するため来広。広島大大学院で学びを深め、
現在、同大学などで非常勤講師をしながら研究を続けています。
「心願の国」に見られる民喜の死生観など、大変に興味深い示唆。参加者の皆さんも
どんどん作品に惹きつけられていきます。

12/1(土)午後2時からは、レセプションパーティーが開催されました。

開始の挨拶・展示の説明をする手嶋さん。


広島花幻忌の会からは、民喜の甥で著作権継承者の原時彦さんが。

会員で元NHKキャスター、現在は表現者としてアーティスト活動も展開中の藤野能子さん
が急遽駆けつけ、サプライズで「夏の花」の朗読を。

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静かな空間に、藤野さんの暖かい声が流れます。
民喜の静謐な言葉には、優しく穏やかな彼女の朗読がぴったり。

講演は、会員で毎日放送プロデューサーの、大牟田聡さんによる
「夢のように美しいが現実のようにたしかな《原民喜》」。

15歳の時から原民喜を読んできた、という大牟田さん。民喜の様々な作品を
引用しながら彼の死生観を読み解いてゆきます。明確な論理展開と、
パワーポイントによる豊富な資料。90分の時間があっという間に過ぎてしまいます。

「『鎮魂歌』は、死を生に浄化させようとした稀有な作品」とし、「嘆きの向こう
側に明日(希望)を仮定し」、「逆説的に生きるための死」を描いた
という言葉に、静かに頷く参加者の姿が印象的でした。


朗読・講演を終えた後、ホッとした笑顔の藤野さんと大牟田さん。
本当にお疲れさま、ありがとうございました。

なお本展は、12/9(日)までの会期で開催中です。
12/8(土)午後2時からは 「民喜を語る」イベント。
朗読のあと、民喜の甥・原時彦さんや広島花幻忌の会事務局長 長津功三良氏(詩人)
らのお話を聞き、共に民喜について語り合いましょう。
12/9(日) 午後1時からは、出品作家たちによる座談会です。
皆さまどうぞお誘い合わせの上、是非お越しください。


(中国新聞 朝刊 2018/12/1)

11/29〜12/9企画展のご案内 「原民喜ーかすかにうずく星ー」


いよいよ10日後に迫ってきました、原民喜企画展。
民喜の詩篇を中心に、そのモチーフと呼応する広島の芸術家たちの作品を
同時展示します。

「民喜の繊細な感受性に心惹かれました」と語るのは、展示ディレクターの若手画家、
手嶋勇気さん。画家の感性を通して、民喜作品が新たな視点から紡がれ直されます。
どうぞお誘い合わせの上、是非ご来場くださいますよう、ご案内申し上げます。

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会期 2018年11月29日(木)〜12月9日(日)
11:00-20:00 (会期中無休)
会場 ギャラリー交差611 広島市中区
橋本町6-11 縄手ビル2F
主催 広島花幻忌の会 ギャラリー交差611

【 ご挨拶 】

ギャラリー交差611では、広島花幻忌の会との共同企画
として、2018年11月29日(木)から12月9日(日)まで企画展「原民喜ーかすかにうずく星ー」を開催します。
原民喜(1905−1951)は、小説『夏の花』をはじめとする
自身の被爆体験をもとにした文学作品で知られます。73年前の8
月6日を体験した人々がそうであるように、民喜もまたその体験を自身の記憶の中に深く刻みますが、彼は被爆体験だけを書き残したわけではありません。
 本展は、『小さな庭』に収録された詩「かけかへのないもの」を
中心に、妻との思い出、少年時代、空、星のひかりといった、彼の
生涯を支えていたものに目を向けます。それらのモチーフに呼応す
る形で、彼と同時代に生きた作家の絵画作品を並べ、また現在広島を拠点として活動する作家の作品も併せて展示致します。民喜の
文学を、広島が生んだ作品と共に見つめなおし、この土地にかつて
あった文脈と今とを紡ぎ直そうとする試みです。
ここから何を見つけ、何をすべきなのか、改めて考えるための11
日間となりましたら幸いです。この機会にぜひお越しください。

【関連企画】
12/1(土) 午後2時〜 レセプションパーティー
大牟田聡さん(広島花幻忌の会会員、毎日放送プロデューサー)の講演、
企画者による展示説明。

12/8(土)午後2時〜 「民喜を語る」
原時彦さん(民喜の甥・著作権継承者)や長津功三良さん(詩人・広島花幻忌の会事務局長)
らのお話を聞き、語りあいましょう。

12/9(日) 午後1時〜 出品作家による座談会

11/30(金) 19時〜 読書会
ポーランド人の民喜研究者ウルシュラ・スティチェックさん(広島大学非常勤講師)とともに
民喜作品に親しみます。

※ 全て予約不要。ワンドリンク(500円)オーダーのみで参加できます。
2回目以降の方は入場料無料です。
※ 入場料 大人500円 高校生300円 中学生以下無料

#原民喜 #花幻忌



2018年 原民喜生誕祭ご報告

去る11月17日(土)、広島市中央勤労青少年ホームにて 今年度の原民喜生誕祭を
開催致しました。この日は文化的行事が多数重なっており、若干参加者は少な目
でしたが、大変アットホームな温かい集いになりました。

最初に献花・黙祷を。

地元専門学校生で表現を学ぶ学生さんらによる、民喜作品の朗読。

コーラスグループ「虹のコーラス」の皆さんによる「永遠のみどり」合唱。
心のこもった素晴らしい歌声。会場の皆さんも楽譜を見ながら一緒に口ずさみました。

11/29〜12/9の予定で開催予定の民喜展示「原民喜ーかすかにうずく星ー」
主催のギャラリー611スタッフ・画家の手嶋勇気さんのミニスピーチ。
そして最後はふくやま文学館館長・岩崎文人さんによる民喜文学についての講演です。


演題は「二つの夏の花」。原爆被災の様子を描いた小説「夏の花」は、当初
GHQの検閲を意識し、原爆の非人道的な描写を削除して発表されたことを解説。
初出の三田文学能楽書林版「夏の花」には、削除された状態での本文が掲載されており、
現在私たちが読んでいる完全版ではなかったことなどを踏まえ、当時の検閲の様子などを
詳細にレクチャー。参加者の皆さんも熱心に聞き入っておられました。

この様子は11/18(日)の中国新聞朝刊にも掲載されました。

なお、ギャラリー611での展示に関しては別途ブログにて掲載致します。
どうぞよろしくお願い致します。

#原民喜 #夏の花 #花幻忌

2018年11月17日(土)原民喜生誕祭のご案内

今年も原民喜の生誕日11月15日が近くなって参りました。
広島花幻忌の会では、今年も恒例の生誕祭を行います。

日時 11月17日(土) 13:30〜15:30頃まで
場所 中央勤労青少年ホーム(ユーストピア中央)4階ホール

プログラム
第1部 献花黙祷のあと、朗読、合唱、ショートスピーチ
第2部 岩崎文人さん(ふくやま文学館館長)の講演「二つの『夏の花』」

予約不要、どなたでも入場無料でご参加頂けます。
お誘い合わせの上、是非お越しください。

#原民喜 #広島 #花幻忌

原民喜・広島花幻忌の会について ①


漸く暑さも少し和らいで参りました。猛暑の疲れが出てくる頃でもありますが、
皆さまお健やかにお過ごしでしょうか。

さて当会ページに最近「原民喜や会の概要を知りたい」という、嬉しいお声を
頂きました。ご要望を受け、これから数回に分けて 順次 原民喜 及び 会のあらましを
少しずつご紹介させて頂きます。
会のパンフレットも数回に分けて掲載しますが、若干見えにくいところもあろうか
と存じます。何卒ご寛恕くださいますようお願い申し上げます。

(パンフレット 1面)

原民喜のことー花幻忌の会のことー
「魂の救済」を求めつつ歩んだ詩人

原民喜は1905年11月15日、広島市幟町の、この地に生まれた。軍都として色彩の濃い
広島の街は、日露戦争の勝利に沸いて日毎よごと、ちょうちん行列やばんざいの声が
こだましていた。原家は日本陸海軍用達の縫製業を営み、世界記念平和聖堂から京橋川
河畔に至るこの地一帯が原家の敷地だったほどの富豪だった。「民喜」という名前は、
戦勝気分にわく市民の姿にちなんで「民が喜ぶ」意味をこめて付けられた本名である。
生まれながらに、日本が歩むことになった近代戦争と重なり合う人生となった。
1920年代、慶応大学に進学した民喜は「三田文学」などに作品を発表し始める。それら
は、例えば自分の葬儀に立ち会うもう一人の自分がいたり、すでに死者となった二人の
友人が夜の繁華街で偶然に出会い、別れていく「幻視の風景」(シリーズ「死と夢」)、
広島駅から宮島にいたる風景の克明な描写など、少年の目に映った広島の近代を映す
(シリーズ「幼年画」)など、そのすべてが短編小説だった。一方では「杞憂亭」という
俳号をもって俳句も書いていた文学青年だった。
昭和19年秋には、平凡な見合い結婚だったが、心から愛していた妻・貞恵に先立たれ、
20年1月、彼は妻の遺骨を抱いて千葉県から傷心の疎開帰郷をする。そして8月6日、
まさにこの地で原爆に遭遇する。幸い、「厠(かわや=トイレのこと)にいて」難を免れた
民喜は、家族と一緒に縮景園から東照宮へと避難する。その道筋で見た光景を、野宿しな
がら持っていた手帳に書き留める。「原爆被災時のノート」と呼ばれるその手帳は、今も
原家に大切に保存されているが、被爆の惨状をリアルタイムで記録した貴重な文献である。
そのノートを元にうまれた「夏の花」「廃墟から」、あるいは詩篇「原爆小景」などは、
戦後文学の出発点に刻まれた傑作である。
あるいは「一つの嘆きよ、僕をつらぬけ、無数の嘆きよ、僕をつらぬけ」とらせん階段を
上昇していくような不思議な小説「鎮魂歌」もある。亡き妻を慕い続ける「一つの嘆き」
と、現実に見てしまった「無数の死」をつづった一篇である。
「もし妻と死別れたら、一年間だけ生き残ろう。悲しい、美しい一冊の詩集を残すために
…」(「遥かな旅」)と記した彼は、無数の嘆きをかかえこみ、魂の救済を願って戦後の5年
余りを書き続けた。そして昭和26年3月13日深夜、東京の中央線に身を投じて自死した。
朝鮮戦争のさなかであった。


遠き日の 石に刻み/砂に影おち/崩れ墜つ 天地のまなか/一輪の花の幻
原爆ドームを振り仰ぐ位置に、「碑銘」という4行詩を刻んだ民喜の詩碑が ひっそりと
建っている。文字は、民喜の遺筆をそのまま刻んである。「ヒロシマ」の惨劇の中に、
鮮やかに浮かぶ「花の幻」。民喜の命日を花幻忌と呼ぶゆえんである。
広島花幻忌の会は、彼の没後50周年記念イベントを前に2000年秋に結成された。毎日3月
や11月には碑前祭、花幻忌のつどいなどを営み、不定期で開く研究会や「夏の花」のコース
をたどる「文学散歩の会」などを通じて、その作品を次世代に読み継いでいこうと活動する
市民サークルである。
( 2009年 秋 広島花幻忌の会 秋の生誕祭のプログラムに掲載。
文・前事務局長・海老根勲(故人))

※ 「原爆被災時のノート」は、原時彦氏が広島市平和記念資料館に寄託さ
れ、現在同館による委託管理がなされています。

(下 パンフレット6面)

お問い合わせは事務局までお願いします。
〒740-1231 岩国市美和町生見4011 長津方☎︎fax 0827-97-0826 携帯 090-9065-5345

mail hananomaboroshi@yahoo.co.jp


#原民喜 #花幻忌 #夏の花

2018年 夏の行事 ご報告 その2 ー原民喜を読む・語るー

【 8・15 反戦・原爆詩を朗読する市民の集い】(於 合人社 ひとまちプラザ 2018年8月15日)

以前のブログでもご紹介しましたが、広島文学保全の会との恒例の夏の朗読会は、
今年 原民喜がメインテーマ。
一部は 朗読構成 〜響きあい 結びつく〜 「一輪の花の幻」
二部は 会員で毎日放送プロデューサー、大牟田聡さんの講演
「夢のように美しいが 現実のようにたしかな《原民喜》」。
酷暑の中100名を超える方々が参加され、大変有意義なひとときとなりました。

はじめに、広島文学資料保全の会の土屋時子代表による挨拶。

次に、日韓学生23名による朗読構成です。韓国の学生は、韓国群山大学とソウル
神学大学のみなさん。6月下旬に来日し8月下旬の帰国までの約2カ月間、広島に滞在
して語学研修と並行で平和学習などのカリキュラムをこなす短期留学生たちです。
来日早々から平和祈念資料館や平和公園の碑めぐり、原爆展見学 その他様々な学習を積む
中、カリキュラムの一つとしての「原民喜文学学習」を終え、朗読会に参加しました。
広島花幻忌の会による作品レクチャーやフィールドワークなどの事前学習の後は、
分担作品を決め、グループに分かれて「原爆小景」の中の5つの原爆詩「日ノ暮レチカク」
「水ヲクダサイ」「コレガ人間ナノデス」を朗読する練習を積んできました。
もちろん日本人学生も、「原爆被災時のノート」「鎮魂歌」「心願の国」などの抜粋を
猛練習です。(民喜の生誕地、広島市中区幟町学区の専門学校ヒューマンアカデミーで、
パフォーミングアート(表現芸術)を専攻して学んでいる学生6名と、広島女学院中学の
中学生1名の計7人。)
7月下旬からは合計17時間以上にも及ぶ日韓合同練習。群読を加えた一まとまりの朗読
構成を完成させるため、日韓両国の学生ら全員が一生懸命 練習に励んで本番に臨みました。


若い人ならではの瑞々しい表現に、会場の皆さんも次第に引き込まれていきます。
日韓両国の若者たちの心が、民喜の言葉によって響きあい結びついた感動的な朗読でした。
最後に、ソウル神学大学のクヮク ミンキョンさんが、韓国語と日本語でスピーチを。
「朗読で声を合わせたように、力を合わせて核のない平和な世界を創ってゆきたい」。
日韓両国の若者たちの心が一つになった、声と声との交響楽(シンフォニー)。
その余韻の中で、彼女のスピーチは清々しく心に響いてきました。

第2部は、広島花幻忌の会の初代会長、大牟田稔氏のご子息でもある会員の大牟田聡さん
(毎日放送プロデューサー)による講演。
15歳から民喜を読んできた、という大牟田さんは中学生で既に民喜論を書いていた、
という大変な民喜ファン。多くの作品の抜粋やスライド資料を交えながらの講演は、
非常に明快な論理構成で、民喜の作品に見られる「生」と「死」に関する問題
を掘り下げて考察。核をホロコースト(大量虐殺)ともみなせるとし、作品に内包された
死と生の局面に更に深く踏み込んだ内容は、聞く者をグイグイ引き込んでいきます。
民喜が自死直前に描いた「雲雀」の姿を、「生」に向かって飛び立つ姿かもしれないとした
パラドキシカルな視点は非常に多くの示唆に富み、生死のダイナミズムを逆転させて見事な
言説。読みの可能性を更に豊かにするお話は、1時間半という時間の長さを全く感じさせない
うちに終了しました。
本当にありがとうございました、大牟田さん。また是非お話をお聞かせください。


最後に、日韓学生たちの集合写真を。
BGM音源の協力をして下さったバイオリン奏者白井朝香さん、バックスクリーンスライドに
ご協力頂いた切り絵作家の小川敏明さんも一緒です。

みんな朗読後の充実感でいっぱいの笑顔、最高に輝いています!
猛練習のうちに終わった2018年の夏。私たち広島花幻忌の会会員も、皆さんと共に
過ごした時間を、決して忘れることはないでしょう。またお会いしましょう!!

なお、今回の朗読には広島女学院中学高校講師 李菊枝(イ グッチ)先生、NPO法人友愛
アカデミーの佐々木令子先生ご夫妻ら、大変多くの方々のご協力とご支援を賜りました。
心より御礼申し上げます。




#原民喜 #花幻忌