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広島花幻忌の会(原民喜文学の研究・継承)

当会は、原民喜の文学を愛する人々の集いです。会からのお知らせを随時更新します。

8・15朗読会を目前に

前回お知らせしました、恒例の8・15朗読会(広島文学保全の会との共催)が近づいて参りました。
朗読予定の若者たちは、暑さにも負けず練習に励んでいます。
6月下旬に来日し、事前学習やフィールドワークという学習を積み、作品理解を深めていった
学生さんらの様子をご紹介します。

室内で会員のウルシュラ・スティチェックさんから民喜作品のレクチャーを受ける、
韓国群山大学とソウル神学大学の学生さんたち。ウルシュラさんはポーランドから
民喜研究のため来日し広大大学院に。
今では広大非常勤講師の仕事をしながら、民喜文学で博士号を持つ唯一の研究者として、
会の活動の中核を担っています。

英語と韓国語、日本語の飛び交うフィールドワークです。この頃より随分日本語も
上達しました。もちろん、会員や原時彦さんからの話をそのまま理解できる学生さんも。

会発足間も無い頃のフィールドワークの模様(下の2枚は2001年撮影)と比べると、
樹木も成長しています。(同じ場所です)

会員の皆さんもまだ若く、既に他界された方々の懐かしい姿も見られます。

日本人学生も頑張って練習しており、先月下旬からは日韓合同練習に入っています。
日韓両国には悲しい歴史がありましたが、今、平和を祈る若者たちの心は一つ。
国境を超え、23人の若者の声と声とが響き合っています。

朗読会会場は、広島市中区袋町 合人社ひとまちプラザ マルチメディアスタジオ。
8月15 日午後2時からです。(写真は昨年度朗読会を報じるニュース画面)

初代会長大牟田稔さんのご子息で会員の大牟田聡さん(毎日放送勤務)の講演もあります。
ご都合つく方は是非ご参加ください。
(2018年8月14日中国新聞朝刊)

2018年 夏の行事ご案内


写真の文が若干読みにくいようなので、こちらに転載しておきます。

西日本豪雨 被災者の方々に
お悔やみ お見舞いを申し上げます

この度は記録的な豪雨により、多くの方々が亡くなられ、被害も甚大なもの
になりました。お亡くなりになったた方々に、心よりお悔やみ申し上げます
と共に、被災された方々に謹んでお見舞い申し上げます。

「パット剥ギトッテシマッタアトノセカイ」ー「生の裂け目」(鎮魂歌)に
よっ て日常を引き裂かれる生の不条理をつくづく痛感させられます。
今年も平和を祈念する、夏の色々な行事がございます。どうぞお誘い合わ
せの上、ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

8・15 反戦・原爆詩を朗読する市民の集い

広島文学資料保全の会と共催で行う、夏の恒例行事です。
今年は韓国から の留学生たちも多数加わり、日本の若者たちと共
に平和を祈って朗読します。 大牟田聡さんの講演もあります。
皆さまどうぞ奮ってご参加ください。(詳細 は別紙ご覧ください。)

縮景園原爆犠牲者慰霊供養式で原民喜作品展示

日時 8月1日 午前9時から
場所 縮景園 茶室 「清風館」

縮景園では、原爆被災により同園 で亡くなられた方々の慰霊式典が
毎年行われています。昨年初めて 茶室「清風館」に民喜作品抜粋や
民喜のパネルが展示され、今年も 引き続き展示が行われます。式典
終了までの短時間展示ですが、ご 参加の方は是非ご覧ください。
(写 真は昨年度の展示。パネルは広島 花幻忌の会作成。)

「のぼり平和資料室」に原民喜資料

広島市立幟町小学校内に、今年 5月「のぼり平和資料室」
が開設 されました。同校出身の佐々木禎 子さん関係の資料の他、
学区近隣 の戦前戦後の資料なども展示。

資 料室の一角は原民喜関連資料コー ナーで「夏の花」初版本や、
直筆 原稿コピーなども。
四國五郎さん の描いた京橋川のお供船の絵も展 示されています。
(広島花幻忌・広島文学資料保全の 会・四国光さん協力)

同校では、今年8月6日の登校日に、民喜の詩に曲をつけた合唱曲
「永遠 のみどり」の全校児童合唱も予定されています。
資料室は毎週金曜日午前中、 予約制で一般に公開しています。
(予約は前日までに。広島市幟町小学校 ☎ 082-221-3013)

⭐ 「ひろしま音楽と朗読の会」からお知らせ
来たる11月11日 【Oratorio song of the bird 鳥の歌 】公演を広島県
文化センターで行います。(13:30開場14:00開演 ) オラトリオは、
原民喜峠三吉栗原貞子の詩に尾上和彦氏が曲をつけた作品です。
最後は出演者全 員で「永遠のみどり」を合唱します。
(お問い合わせは事務局まで。
ひろしま 音楽と朗読の会・小野 090-1180-3075)


原民喜 夢の器 初期幻想傑作集」が刊行されました。
彩流社から原民喜の新しいアンソロジーが刊行されました。
今では全集でしか読めない「焔」や、「死と夢」・「幼年 画」・
拾遺作品集などから、幻想性豊かな傑作を選定。幻想 作家としての原
民喜のイメージ豊かな感性の世界を堪能でき ます。
会員で作家の天瀬裕康さんの解説も秀逸。書店だけで なく、ネットでも
購入できます。( A5版 272ページ 定価 2200円+税)

皆さま どうぞよろしくお願い致します。

2018年 原民喜 春の碑前祭 「花幻忌の集い」ご報告

去る3月11日、春の碑前祭「花幻忌の集い」を京橋川河川緑地にて
開催致しました。今回は民喜ゆかりの被爆柳に広島市設置の案内板が完成し、
原民喜命日(3月13日)追悼と、案内板の披露を兼ねた集いとなりました。
春らしい穏やかな晴天にも恵まれて、約80名を超える方々に足をお運び頂き、
大変賑やかな会となりました。厚く御礼申し上げます。


はじめに、地元上幟町北町内会・橋本町上町内会の会長さんが挨拶。
川辺の緑地帯は、町内会の皆さんが花を植え、手入れをして 美しく保ってくださって
います。感謝ですね!

ここには民喜が相続した家があり、彼の本籍も置かれていました。
次兄一家が住んでいたこの家については「火の踵」に詳述されています。
「生涯に一度はあの川端の家で暮らしてみたい、と妻は旅先の侘住居でよく彼に
話していた。」(「火の踵」) 妻とこの家に暮らすことは叶いませんませんでしたが、
彼は次兄が住んでいた頃よく立ち寄っており、作品には 座敷や庭から眺める 川の
風景が大変美しかったことなどが仔細に綴られています。
現在はこのように広島市の緑地帯になっています。

著作権継承者(原民喜の甥)原時彦さんと、民喜文学の研究者、ウルシュラ・スティチェックさん
(広島大非常勤講師)のお二人が除幕を。

参加者が順番に献花し、平和を祈ります。

広島女学院の中学生・高校生・地元専門学校で表現を学ぶ学生さんらが民喜作品の朗読を。

幟町小学校合唱部の子どもたちが「永遠のみどり」を合唱。
澄み切った歌声が春の空いっぱいに響きました。

熱心に聞き入る参加者の皆さん。

川辺のセレモニーのあと会場へと移動し、原時彦さんに柳に関するお話を伺いました。
子供の頃、柳にロープをかけて川に梯子を降ろし川遊びを楽しんだ思い出話も。
時彦さんは済美学校から学童疎開に行かれましたが、戦後疎開から戻り幟町小学校に
在籍。同校卒業生でもあります。

歌人で朗読パフォーマー北久保まりこさんは民喜の俳句や自作短歌などの朗読を。

効果音を使いながらの作品朗読。北久保さんの素晴らしい世界に一同聴き入りました。

会員で作家・民喜文学研究もされている天瀬裕康さんは、原民喜の短詩型文学についてのお話を。
民喜の短編小説は、短詩型文学の延長線上にあることなどを指摘された
興味深い内容でした。

最後に会員各位の活動やお知らせなどの情報交換。写真は民喜に関する論考の単行本(「雲雀と少年」)も
出されている寺島洋一さん。
[

翌12日の中国新聞朝刊には、この会の様子が掲載されました。

今日3月13日は花幻忌。皆さま本当にありがとうございました。

2017年 原民喜生誕祭 ご報告

去る11月12日(日)、原民喜誕生日(11月15日)を記念して原民喜生誕祭を
平和記念資料館地下会議室にて行いました。
今回は広島花幻忌の会自主制作DVD「原民喜と辿るー想い出の廣島
続編(円光寺〜明治橋舟入八幡村)の初披露です。
映像や原時彦さんのお話とともに、民喜の足取りを追体験しました。
好天にも恵まれ、約40人の方々に足をお運び頂き、賑やかな会となりました。
厚く御礼申し上げます。

献花・黙祷

その後、恒例の作品朗読を。中学生の中原調さんは、「家なき子のクリスマス」
「魔のひととき」の朗読。
専門学校で表現を学ぶ学生さんらは「原爆被災時のノート」「鎮魂歌」
「永遠のみどり」他を豊かな表現力で。



大谷志津子さんによる栗原貞子の「ヒロシマというとき」朗読

その後、DVDを映写。映像は原民喜の眠る寺「円光寺」から出発。
東照宮から彼が馬車で辿った道を経由し、八幡村までを原時彦のお話を交えながら
辿っています。
「廃墟から」「永遠のみどり」などに登場する「舟入川口町の姉の家」
では民喜の姉のご遺族の談話や珍しい遺品などもあり、皆さん食い入るように
見入っておられました。資料でも舟入・江波・天満周辺の記述に着目。
民喜作品は、被爆直後の広島市の記録としても貴重なものだと実感しました。

映写の後は、民喜の甥・著作権継承者である原時彦さんのお話。
民喜と過ごした八幡村でのこと、戦中戦後の市民の暮らし、また原爆後遺症に悩まされた
兄・邦彦さんのことなど、作品抜粋を交えながら語って頂きました。

「戦後の窮乏が私たちの想像を絶するものだったことを知り、驚いた。
特に被爆者にとっては、後遺症の出てくる被爆後が苦しみの始まりなのだと実感した。
核の恐ろしさを再認識させられる。」という若い方の感想が心に響きました。

11・12 原民喜生誕祭 で公開のDVDのご紹介

来たる11月12日の原民喜生誕祭では、広島花幻忌の会 自主制作DVDの
後編(円光寺〜明治橋付近〜舟入〜八幡) を初披露致します。
今年3月の碑前祭に公開した前編に続く、証言記録のための取り組み続編です。
今年5月18日付中国新聞でロケの様子が掲載されております。
今まで知られていなかった遺品なども収録し、充実した内容です。
お誘い合わせの上 皆さま是非お越しください。

デジタル近状通信ー2017年原民喜生誕祭のご案内

秋も深まって参りました。皆さまお健やかにお過ごしでしょうか。
11月15日は原民喜の誕生日。広島花幻忌の会では下記の要領で
恒例の生誕祭を行います。
今回は、3月の碑前祭で上映しました自主制作DVD「原民喜と辿るー想い出の廣島ー」
後編の初披露です。民喜の眠る「円光寺」から出発。彼が原爆投下後に過ごした佐伯区
八幡までの経路を、甥の原時彦さんと共に辿ります。
会場では、原時彦さんに当時の想い出やエピソードなどをお話し頂きます。
皆さまお誘い合せの上、是非ご参加ください。(予約不要、入場無料です。)

日時 2017年 11月12日(日) 午後1時半〜4時頃まで
ところ 平和記念資料館 地下小会議室
プログラム
1) 作品朗読 若干名 (飛び入り歓迎です)
2) 広島花幻忌の会 自主制作DVD
原民喜と辿るー想い出の廣島」(円光寺〜明治橋付近〜舟入川口町〜八幡)
3) 原時彦さん(原民喜の甥・著作権継承者・当会顧問)のお話
4) 事務局からのお知らせ (事務局長 長津功三良 )


🌸システム不具合のため、長くブログを更新できませんでした。
夏の諸行事のお知らせ及びご報告ができませんでしたことを
お詫び申し上げます。