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広島花幻忌の会(原民喜文学の研究・継承)

当会は、原民喜の文学を愛する人々の集いです。会からのお知らせを随時更新します。

2018年 原民喜 春の碑前祭 「花幻忌の集い」ご報告

去る3月11日、春の碑前祭「花幻忌の集い」を京橋川河川緑地にて
開催致しました。今回は民喜ゆかりの被爆柳に広島市設置の案内板が完成し、
原民喜命日(3月13日)追悼と、案内板の披露を兼ねた集いとなりました。
春らしい穏やかな晴天にも恵まれて、約80名を超える方々に足をお運び頂き、
大変賑やかな会となりました。厚く御礼申し上げます。


はじめに、地元上幟町北町内会・橋本町上町内会の会長さんが挨拶。
川辺の緑地帯は、町内会の皆さんが花を植え、手入れをして 美しく保ってくださって
います。感謝ですね!

ここには民喜が相続した家があり、彼の本籍も置かれていました。
次兄一家が住んでいたこの家については「火の踵」に詳述されています。
「生涯に一度はあの川端の家で暮らしてみたい、と妻は旅先の侘住居でよく彼に
話していた。」(「火の踵」) 妻とこの家に暮らすことは叶いませんませんでしたが、
彼は次兄が住んでいた頃よく立ち寄っており、作品には 座敷や庭から眺める 川の
風景が大変美しかったことなどが仔細に綴られています。
現在はこのように広島市の緑地帯になっています。

著作権継承者(原民喜の甥)原時彦さんと、民喜文学の研究者、ウルシュラ・スティチェックさん
(広島大非常勤講師)のお二人が除幕を。

参加者が順番に献花し、平和を祈ります。

広島女学院の中学生・高校生・地元専門学校で表現を学ぶ学生さんらが民喜作品の朗読を。

幟町小学校合唱部の子どもたちが「永遠のみどり」を合唱。
澄み切った歌声が春の空いっぱいに響きました。

熱心に聞き入る参加者の皆さん。

川辺のセレモニーのあと会場へと移動し、原時彦さんに柳に関するお話を伺いました。
子供の頃、柳にロープをかけて川に梯子を降ろし川遊びを楽しんだ思い出話も。
時彦さんは済美学校から学童疎開に行かれましたが、戦後疎開から戻り幟町小学校に
在籍。同校卒業生でもあります。

歌人で朗読パフォーマー北久保まりこさんは民喜の俳句や自作短歌などの朗読を。

効果音を使いながらの作品朗読。北久保さんの素晴らしい世界に一同聴き入りました。

会員で作家・民喜文学研究もされている天瀬裕康さんは、原民喜の短詩型文学についてのお話を。
民喜の短編小説は、短詩型文学の延長線上にあることなどを指摘された
興味深い内容でした。

最後に会員各位の活動やお知らせなどの情報交換。写真は民喜に関する論考の単行本(「雲雀と少年」)も
出されている寺島洋一さん。
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翌12日の中国新聞朝刊には、この会の様子が掲載されました。

今日3月13日は花幻忌。皆さま本当にありがとうございました。