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広島花幻忌の会(原民喜文学の研究・継承)

当会は、原民喜の文学を愛する人々の集いです。会からのお知らせを随時更新します。

2019年 原民喜生誕祭 ご案内 ー原民喜と「わが基町物語」ー

 

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  漸く秋らしい気候になり、渡る風も爽やかな季節となって参りました。

皆さまいかがお過ごしでしょうか。

   さて、今年も11月15日の原民喜生誕日が近づいて参りました。会では

翌日の11月16日(土)、恒例の生誕祭を行います。

  今回は朗読のゲストとして、表現者として活動を続けておられる高田

裕志さんをお迎えし、また当会事務局長で詩人の長津功三良が、詩集

「わが基町物語」に描いた戦後間もない頃の基町界隈や、原民喜詩碑が

広島城址に建立された頃の様子などを語って、参加者の方々と街への思い

を分かち合うプログラムを予定しております。( 基町地区活性化を目指す

活動を行う「基町プロジェクト」の皆さんのご協力により、街の変遷を

撮影した貴重な航空写真パネルなどもご覧頂けます。)

  中央公民館は、原民喜が1950年に日本ペンクラブ広島大会で講演を行っ

た、由緒ある会場です。(今年度から会は従来の活動に加え、広島市中央

公民館所属団体として地域文化貢献のための活動も開始致しました。)

 皆さまお誘い合わせの上、是非お越し下さいますよう、ご案内申し上げ

ます。(参加無料、予約不要) 

 

         日時      11月16日(土) 午後1時半~3時半頃

         ところ    広島市中区西白島町24-36

                         広島市中央公民館3F 大集会室2

                                               (電話 082-221-5943)

                          アクセス   バス: 西白島町下車徒歩3分

                           アストラムライン: 城西駅下車徒歩3分

                           JR : 新白島駅下車徒歩7分

 

【 プログラム 】

   ①献花 黙祷 開会挨拶

    ②作品朗読  高田裕志さん 「心願の国」より

      ※ その他若干の飛び入り朗読も歓迎致します。お気軽にご参加ください。

    ③『わが基町物語』を巡って ー長津功三良さんのお話と分かち合いー

    ④ 事務局より関連企画(11/4の文学散歩)の報告、閉会挨拶

        (終了予定  15時半頃)

 

    ※お問い合わせは事務局長津まで。(090-9065-5345)

 

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 ※《 朗読ゲスト 高田裕志さん プロフィール》

       2015年より舞台経験者の朗読勉強会「Reading Notte(リーディング・ノッテ)」

     に所属し、2018年『朗読夜会第7夜~国貞えがく~』などに出演。

      「ことばの美しさ、豊かさ、大切さなどを伝えてゆけたら…」と願って朗読を

      続けておられます。

 

         今回朗読される作品は「心願の国」(抄)。高田さんは昨年末、ギャラリー611

       で行った読書会でこの作品の哀しく美しい文体に触れ、すっかり魅せられた

       そうです。「『被爆』という特異な体験、敗戦直後の混乱した時代を背景に

       しながら、『人間存在の不安』という普遍的なテーマが底流に流れていことに、

       感銘を受けました。」と、高田さん。当日の朗読が楽しみです。

 

       

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※《 長津功三良 プロフィール》

  1934年広島市生まれ。詩集『頭蓋の中の廃墟』詩論集『原風景との対話』

など、著作多数。詩集『影たちの葬列』第4回現代詩平和賞受賞。詩集『影

たちの墓碑銘』第9回小野十三郎賞受賞。文庫では土曜美術出版 日本現代詩

文庫35『長津功三良詩集』。

  現在は山口県岩国市在住。日本現代詩人会理事・広島県詩人協会会長などを

歴任し、現在 中四国詩人会会長、広島花幻忌の会事務局長。

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   広島市で生まれ育った長津さんは、1934年(昭和9年)生まれ。千田町や稲荷町

などで幼少期を過ごしました。原爆投下時は疎開をしており被災を免れましたが、

終戦直後に再び広島へ。1947年(13歳)から1953年(18歳)までの青春時代を、基町

の急造簡易住宅で過ごしたといいます。

 『 わたしの 基町は / 敗戦後 焼け跡の 見渡す限り 空洞(がらんどう)の ひろしま …』。

昨年夏に上梓された『わが基町物語』には、多感な青春期を、廃墟となった

ヒロシマで過ごした日々が綴られています。小学校時代の多くの友人を喪った長津

さんにとって、この詩集は友人知人に捧げる鎮魂の詩(うた)でもあります。

 『  …何もかも 忘れようとして / ただ それぞれが こっそりと / 懐に 自分だけの 蒼く

光る石を 隠していた …』(『わが基町物語』より)

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1951年11月15日(没後約半年後の民喜誕生日)に、基町の広島城址に建立された

原民喜旧詩碑。陶板に刻まれた「碑銘」と名付けられた4行詩に、当時高校2年

生だった長津青年は「真実の詩とは、こういうものか」と衝撃を受け、

「詩の世界へ引きずりこまれた」と、そのエッセイの中で綴っています。

  当日は詩碑が平和公園に移設される経緯なども含めてお話を伺います。

上の写真は、当時の陶板。現在広島県立図書館に保存されています。

 

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    【協力団体インフォメーション 】

 今回の催しに写真パネルのご協力をくださる、「基町プロジェクト」

の活動をご紹介致します。若い方々が大変有意義な取り組みをされて

います。

 

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「基町、昔の写真展Ⅳ」(2019年8月)

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プロジェクトに参加する若い人たち


  「基町プロジェクト」とは、基町住宅地区の活性化や魅力ある街づくり

を目指し、広島市が地元住民と連携しながら行なっている取り組みです。

  実施に際しては中区役所と広島市立大学が連携し、若者が主体になった

創造的な文化芸術活動や地域交流を行なうなど、様々な試みを続けてい

ます。

(http://www.motomachiproject.net/)

                       

  ☘️皆さまのご協力に厚く御礼申し上げます☘️                                                

 

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【 2019年夏の行事ご報告 】

毎年8/15に広島文学資料保全の会と共催で行なっている、恒例の朗読会、

台風の中にもかかわらず多数の方が参加され、無事終了致しました。

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「おこりじそう」の朗読をする、木内みどりさん。

素晴らしい朗読と、スクリーンに映る四國五郎さんの絵は、

会場の人たちを作品の世界に引き込んでゆきました。

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四國五郎さんのご子息・四國光さんとの対談。

途中から、五郎さんに教えを仰いだ画家・ガタロさんも。

大変貴重なお話を聴くことができ、また無事に終了できました

ことに感謝致します。ありがとうございました。

 

#平和 #花幻忌 #原民喜 #基町プロジェクト #Reading Notte