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広島花幻忌の会(原民喜文学の研究・継承)

当会は、原民喜の文学を愛する人々の集いです。会からのお知らせを随時更新します。

2020年秋の文学散歩ご報告

 

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春から長らく延期になっておりました、会主催の「文学散歩」。

今回は規模を15人限定と縮小して11月1日(日)に催行し、無事に終了致しました。

以下、写真と共にご報告申し上げます。

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  集合場所は、広島市中区幟町の世界平和記念聖堂。

広島で被爆したフーゴー・ラッサール神父の呼びかけに応じ、

世界中から集まった厚意や募金によって、原爆投下から9年後、

1954年に建てられました。

  被爆前は、この広大な敷地は一面に民家が建ち並ぶ住宅地。

前身「幟町天守公教会」は、現在の敷地(住宅地)の北辺りに位置

し、木造平屋造りの目立たない和風建物であったといいます。

 現在隣接されている音楽大学も勿論まだなく、向かいの幟町小学校も

現在地より北(現在の幟町公園の位置)。

 民喜が少年時代を送った明治から大正期、まだ街は城下町の面影を

色濃くとどめており、現在の様子とは全く異なる風景でした。

 

二階建てであった民喜の生家からは、物産陳列館(原爆ドーム)

の屋根まで見渡せていたことが、民喜の作品にも記されています。

 

 初めに訪れたのは、原民喜被災地(生家跡)。

現在はエリザベト音楽大学やマンションが建ち並んでいます。

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『…私は厠にいたため一命を拾った。…突然、私の頭上に一撃が加えられ、

目の前に暗闇が滑り墜ちた…』。(「夏の花」より)

「この辺りが原民喜生家の厠の位置でした。」と、説明をする、

民喜の甥で著作権継承者、また会の顧問でもある原時彦さん。

参加者の皆さんも真剣に聞き入っておられます。

 

8/6当日、原民喜は被災地から川を目指して北へ向かい、栄橋へと到着

しますが、

文学散歩一行は、栄橋より少し下流の京橋と、京橋袂の橋本町厳島神社

を経由し、川辺を描いた戦前の作品を味わいます。

下の写真は、市杵嶋姫神社(橋本町厳島神社通称名;明神さん)。

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京橋はすぐ近くに。橋の名は、広島城から京に向かう起点となることから名付け

られました。現在の橋は昭和2年に架け替えられたものですが、

丈夫な鋼橋で原爆でも落橋しませんでした。

民喜の作品の数々に描かれています。

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京橋欄干の南向こうには、比治山も見えています。

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昔は柳が生い茂る川辺であった、この一帯。

明神さんが勧請された江戸時代頃から、この川岸は「明神の浜」

と言われるようになりました。

毎年旧暦6月16日の管弦祭の折には、管弦船のお供をする御供船(おともんせん)

が繰り出し、夕暮れの川面には華やかに揺れるお供船の灯と、

護岸の民家の紋入り高灯籠が対照的に映え、幻想的な美しさであっ

たことが伝えられています。

 

『…昔、管弦祭の夜には京橋の明神の浜におとぼん船がやつて来た。

橋の上にはぞろぞろと人がひしめきあつて…(中略)…

かがり火が水に映り、衣装の金糸銀糸が火に照らされてー

それを見てゐると子供の私には、これはまるで幻夢の世界であつた。…』

(昭和25年12月7日 中国新聞 原民喜「広島の牧歌」より)

民喜少年の夢想を育んだ、美しい故郷ひろしまの川と街。

作品を味わいながら、参加者それぞれが、民喜が愛した戦前

の広島に思いを馳せます。

 

そのまま北へ、秋の川辺や雁木を目にしながら川辺を歩き、

原民喜ゆかりの被爆柳」へと向かいます。

(雁木のある光景も、民喜は作品内に描いています。)

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ここが民喜の持ち家で、本籍も置かれていた被爆柳のある地。

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柳には案内板も。

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『…その借家は母の遺産として彼が貰ったのだが、次兄がずっと棲んでいた。

生涯に一度はあの川端の家で暮らしてみたい、と妻は旅先の侘住居でよく

彼に話していた。…(中略)…彼はよくその次兄の家へ立寄った。玄関に佇めば庭と

座敷と川が一目に見渡せた。その庭先の緑樹は殆ど見おさめのように絢爛

としていた。…』(「火の踵」より)

「次兄一家」とは、原時彦さんのご一家。

当時の話に、皆さん熱心に聞き入ります。

 

ここから更に北へと秋の川辺を。

ほんのりと紅葉し始めた木々、美しい花々が目を楽しませてくれる

京橋川沿いの緑地帯。

花々は、町内会の老若男女で成る「花咲く水辺の会」の皆さんが、

月に2回集まって定期的に手入れをし、丹精込めて育てた花を

季節に合わせて植え替えてくださっています。

水辺の会の皆さん、美しい花々と緑を本当にありがとうございます!

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ここが栄橋。明治39年(1906)に豪商・熊谷栄次郎によって架橋され、

橋の名はその名一字を取って命名されたもの。

昭和5年に鉄筋コンクリートの橋として再架橋されており、

原爆にも落橋しませんでした。

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『…煙は崩れた家屋のあちこちから立昇っていたが、急に焔の息が烈しく

吹きまくっているところへ来る。走って、そこを過ぎると、道はまた平坦

になり、そして栄橋の袂に私たちは来ていた。…』(「夏の花」より)

 

この橋の近くでひと休み。

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文学散歩資料に目を通し、ゆっくりとお話を。

京橋川は栄橋より少し南、「上柳橋」東詰の「台屋(だいおく)の鼻」

で東と西に分岐。

ここからは右だけを京橋川、左に分岐した川を猿猴川と呼びます。

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写真中央が台屋(だいおく)の鼻。(出鼻(でび)とも呼ばれる。)

現在は上柳橋(右)と広島駅に向かう駅西高架橋(車専用。人・自転車は併設の

駅西歩道橋を渡る)が架橋されていますが、どちらも戦後のもの。

戦前の町名からその名を取った上柳橋は昭和41年(1966)、

駅西高架橋(駅西歩道橋)は昭和61(1986)の架橋です。

昔は軍事上の理由で架橋制限をされていたのです。

 

猿猴(えんこう)」とは、川に棲んでいたという、猿に似た河童の姿をした

妖怪の名。川に潜み、泳いでいる人の足を捕まえ、川の中に引きずり

込んで肛門から腹わたを抜き取る、と言われていました。

猿猴伝説など地域の逸話も聞きながら、戦前の広島の雰囲気

を感じていくと、「夏の花」の乾いた無機質な光景が、より一層

異様なものとして迫ってくるのを実感します。

 

今回の文学散歩には、リピーターの方、初参加の方々のほか、

平和公園通訳ガイドの皆さんで構成する「リンクヒロシマ

の皆さん8名も参加されました。

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メンバーの方々は、今年春の会の集いで作品朗読の予定でしたが、

春の集いは延期に。秋の集いも日程が合わず、発表は来年度の

集いまで持ち越しとなっていますが、皆さんよく

勉強されており、質問も積極的で大変に熱心です。

 

「民喜たちは、栄橋から縮景園(泉邸)へと避難し、火が廻ってきたので

そこから常盤橋袂まで筏で渡り、そこで一晩野宿したんです。

初めは砂州にいたんですが、そのうち潮が満ちてきたので

砂州から土手に上がって。私の父母と女中さん、赤ん坊だった下の妹、

民喜たちは土の窪みに横たわって一夜を明かしました…」。

 原さんの言葉の一つ一つを噛みしめながら深く頷いているのは、

メンバーの1人、アメリカ合衆国出身のコピーライター&

フォトグラファーのピーターさん。(下写真左)

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原民喜の研究をするためにポーランドから来日し、以来約30年在広して

大学で教鞭を取っている、会員のウルシュラさん(写真右)とも挨拶を。

大変インターナショナルな文学散歩になりました。

 

時間の関係もあり、栄橋からは東照宮まで車での移動です。

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栄橋を渡り、対岸の縮景園(泉邸)竹藪(写真上)を眺めながら、

民喜たちが一夜を明かした常盤橋袂を経由。

(写真下は、縮景園側から常盤橋と袂の砂原を撮影。

民喜たちは縮景園から筏で川を渡ってこの砂原に辿り着き、

土手に上がって一夜を過ごしました。)

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民喜と妻・貞恵が結婚式を挙げた鶴羽根神社は車窓から。

この一帯は広島城から見て鬼門(北東)に位置するため、鬼門守護の

寺社が集まっています。

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本日の最終地点、広島東照宮

民喜たち一行は縮景園対岸で一夜を明かした後、8月7日に

この境内へ辿り着き、同日夜はここで野宿。

東照宮には被災者の施療所が設けられていたことも

あって、栄橋ではぐれていた姪(時彦さんの上の妹)ともここで

再会。翌8日に馬車で八幡村へと向かうまでの約24時間を、

一行(民喜、時彦さんの父母と妹2人、女中さん)6人が

ここ東照宮境内で過ごしたのでした。

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二葉山を背景に、急な階段が圧倒的な迫力です。

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境内には被爆65周年に当たる2020年、民喜の言葉を刻んだ

追悼碑が建立されています。(写真下)

「コハ今後生キノビテコノ有様ヲ伝へヨト天ノ命ナランカ」

  (「被災時のノート」からの一節)

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追悼碑には「5年後」と題する、あの日の回想を記した民喜

エッセイの銘板も。

「一行はこの石垣(写真下、左手前の石灯籠の後ろの石垣付近)

辺りに屋根を作って野宿しました。

民喜は、ここで携えていた小さな手帳(「被災時のノート」)

に記録を綴り、それを基に八幡村で作品を書いたんです…」。

説明を食い入るように聞く皆さん。

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質問も大変活発でした。

 

「リンクヒロシマ」のピーターさんからは、後日以下のメッセージもいただきました。

「 From the delta of Hiroshima where green leaves glisten, may peace spread to all the world. 

- Peter Chordas

青葉したたるヒロシマのデルタから、 世界中に平和が広がることを心より願っています。

ピーター コーダス」

民喜の言葉によって世界に広がる平和の輪。嬉しいですね。

 

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「世界平和の実現を願って活動しています。

 朗読も頑張ります!」と、メンバーの皆さん。

 

その他の参加者の方々も、大変お疲れさまでした。

無事に良い文学散歩になりましたことを感謝いたします。

 

なお、当会の文学散歩は、地域の各町内会や近隣の方々と連携し、

また東区地域おこし課からもお力添えを賜わり、

多くの団体や個人の方々から、ご協力並びに応援やご支援を頂いております。

この場を借りまして、心からの御礼を申し上げます。

皆さま、本当にありがとうございました。           

                           広島花幻忌の会

 

🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱

 

11月15日(日)の生誕祭も宜しくお願い致します。

詳細は一つ前のブログ記事にご案内を掲載しております

ので、どうぞご覧ください。

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(2020.10.27 中国新聞 文化欄より)

 

# 原民喜 # 永遠のみどり # 被爆樹木 # 夏の花 # 文学散歩 # 花幻忌 # ヒロシマ 

# 平和 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年 原民喜生誕115年記念 生誕祭のご案内・お詫び

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朝晩肌寒くなってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

来月11月15日は、原民喜生誕115年目の誕生日に当たります。

新型コロナウイルス感染症を鑑み、当会では春の行事を延期しており

ましたが、今秋は小規模ながら再度催しを企画しております。

お忙しい時期とは存じますが、ご予定をご検討くださいますよう、

ご案内申し上げます。            (入場無料)

 

日時 11月15日(日)  午後1時半〜3時半頃まで

ところ 広島市中央公民館 3階大集会室2

              (広島市中区西白島町24-36 ℡082-221-5923)

 

※ 各席の間は広く取り、消毒液その他の用意をいたします。

マスクは各自でご持参ください。

なお、受付ではご連絡先のご記入をいただきますので、

ご協力ください。

 

 

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 🌱その他お知らせ🌱

● 夏の朗読会では、旧陸軍被服支廠を会場とした、初の朗読会にご協力

頂き、誠にありがとうございました。

この度、被服支廠の保存・活用を考えることを主眼とし、

小さな小さなラジオ曲「Hihukushoラジオ」が開設されました。

パーソナリティーは、広島文学保全の会代表の土屋時子さん。

月に2回の配信で、毎回ゲスト招いての内容の濃い充実した

トークが繰り広げられています。

「Hihukusho」で検索、クリックするとどなたでも無料で

お聴きになれます。是非お試しください。

 

●国立広島原爆死没者追悼祈念館にて開催中の「ーヒロシマを描き

続けた四國五郎と死の床でつづった直登の日記展ー」は、

当初2020年末日までの開催となっておりましたが、感染症予防の

ための臨時休館期間が入ってしまったため、下記の通り会期延長

になりました。

見応え聞き応えのある、大変優れた映像と展示です。

皆さまも是非足をお運びください。

 ※延長後 2020年1月1日〜2021年2月28日(日)まで

 

 

🌱🌱🌱🌱🌱【 お詫び 】🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱

 

 会員の方々にはこれらネット掲載分ページの他、各種ご案内及び

読み物・参考記事などを加え、会報を封書郵送にてお届けさせて

頂いております。

 今回、10月17日発送分の一部の方々に、当会の計量ミスにて郵送

料金の不足(10円)が発生してしまいました。

 事務局に返送されたもの以外に、既に皆さまのお手元に届き、

不足料金を請求された方々がおられるかと存じます。

誠に申し訳ございませんでした。

 今後はこのような手違いは起こらないよう、十分に注意いたし

ます。

 大変なご迷惑をおかけ申し上げてしまいましたこと、

この場をお借りして心よりお詫び申し上げます。

 

       広島花幻忌の会 事務局長 長津功三良

               連絡先 090-9065-5345

                                                      メール hananomaboroshi@yahoo.co.jp

 

 

 

# 花幻忌 # 原民喜 # 永遠のみどり # 平和 # 文学散歩 # ヒロシマ # 原爆文学

 

 

2020年夏の行事ご報告

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 被爆75年を迎えた2020年8月15日、今年も恒例の「原爆・反戦詩を

読む市民の集い(広島文学資料保全の会・広島花幻忌の会共催)

を開催致しました。

 今年の会場は、広島市南区の旧陸軍被服支廠広島市内最大級の

被爆建物です。全4棟から成る被服支廠は、戦前は軍部の衣服・軍靴

などの軍部衣服関連物を製造する施設。被爆時には、レンガ造りで

あったために焼失・崩壊を免れ、被災者たちの救護所として機能し

ました。

焼けたレンガと赤錆びた鉄の扉の中には、今でも当時の痕跡

をとどめたようなひっそりとした空間が息づいています。

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 以下、写真とともに朗読会のご報告を申し上げます。

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 広島花幻忌の会からは、大学生と市内の高校生らによる民喜作品の朗読を。

 子どもの頃から参加しているリーダーの中原奏さんは、今春から大学1年生。

花幻忌の会や中学高校での活動を通して平和に対する意識を高め、

大学でより学びを深める第一歩を踏み出したばかりです。 

 今回は民喜の言葉に自身の思いを絡めて平和への希望を語り、

立派に進行役を務めました。

 高校生3人らは、原民喜の作品に感銘を受けての参加。

それぞれが「コレガ人間ナノデス」「日ノ暮レチカク」

「かけかへのないもの」など、民喜の言葉に心を重ねての朗読です。

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最後は「永遠のみどり」を力強く全員で。若々しく瑞々しい声には、

戦争のない明るい未来を希う気持ちが溢れていました。

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朝鮮半島の伝統的な民族楽器「チャンゴ」。「死者に捧げる鎮魂の演奏」

をぺ・ハクティさんが奏でます。その素朴な響きは被服支廠に木霊し、

死者たちへの追悼のように流れ…。

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山下雅靖さんのピアノにのせて、声楽家の今田陽次さんがバリトン

の独唱を。

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曲目は、四國五郎さんの詩に山下雅靖さんが曲を付けた

「奪われたもの」や「灯ろう流し」など。

四國五郎さんの言葉に触れ、大変な感銘を受けたという今田さんは、

長年心の中にあった四國五郎さんの言葉を歌曲に託し、心に沁み

いる歌声で再現。

肉親を喪った苦しみと悲しみと…。言葉は曲とともに参加者それぞれ

の心の中に哀切に滲みます。

 

四國五郎さんの日記や、栗原貞子さんの「ヒロシマというとき」

などの朗読もあり、林幸子さんのお孫さんに当たる中山涼子さんは、

ヒロシマの空」を朗読。

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最後は、広島文学資料保全の会の皆さんによる、峠三吉の「倉庫の記録」

「仮包帯所にて」「原爆詩集」序などの群読です。

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原爆投下後に救護所となった被服支廠内の様子

を綴った峠三吉の「倉庫の記録」。

倉庫内で苦しみ悶える被災者の方々の様子が保全の会の方々の

臨場感に満ちた朗読で再現され、聴衆の方からは

「この場で聴くと、惨状が一層の現実感を帯びて

浮かび上がってきます。無くしてはならない貴重な

遺構だと改めて実感しました。」との感想も聞かれました。

 

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被服支廠で製造された軍帽を見つめる高校生

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帽子内側には、昭和18年との製造年も記載。

 

戦前にこの被服支廠で製造された帽子をお持ち下さった方もおられ、

参加者たち各々が被服支廠の持つ「軍都・広島」と「被爆」という

痛ましい歴史を改めて感じ、考える契機になりました。

よりよい保存・活用を目指して皆で協力・努力していきたいものです。

 

当日は酷暑の中、新型コロナウイルス感染症で様々な制約があったにも

かかわらず、多くの方々がご協力くださり、約90人の方々のご参加

を賜りました。文学資料保全の会の皆さまをはじめ、ご協力やご参加の

皆さまに厚く御礼申し上げます。

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(8/16読売新聞)

 

 

※なお、新型コロナウイルス感染症のため延期としておりました

原民喜命日の集い」は、秋の恒例行事「原民喜生誕祭」に

併せて再度催行予定です。

秋の文学散歩も再度企画しておりますので、また追って詳細を会報やブログで

お知らせさせていただきます。引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

#原民喜 #峠三吉 #栗原貞子 #平和 #夏の花 #ヒロシマ #花幻忌 #朗読

#被服支廠 #永遠のみどり

 

 

 

 

 

 

 

2020年夏の行事ご案内 ー8・15 朗読会 (広島花幻忌の会 広島文学資料保全の会 共催)ー

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    新型コロナウイルス感染症が収束しない中、大雨豪雨による被害も

多発し、何かと落ち着かない日々をお過ごしのことと存じます。

皆さまお健やかにお過ごしでしょうか。

 今年の夏は、毎年 広島文学保全の会と共催で行なっております恒例の

「8・15朗読会」を、久しぶりに屋外開催いたします。

現在、保存・活用策が検討されている旧陸軍被服支廠での朗読会です。

朗読はもちろん、チャンゴ演奏やバリトン独唱も予定されています。

 

  被爆75年を迎え、被爆体験の風化が益々懸念されております。

お目通しの上、ご参加をご検討くださいますようご案内申し上げ

ます。

 

       日時     8月15日   午後2時半~4時

       ところ  旧陸軍・被服支廠 

                       (広島市 南区出汐2丁目)

       ※ 八丁堀から 広大医学部・旭町行き 広島バス 「出汐町」下車

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 ※毎年夏の近状通信でご案内しております「縮景園原爆犠牲者慰霊

供養式」は、新型コロナウイルス感染症のため、今年はご遺族の

参加のみで開催予定です。会報でのご案内は控えさせて頂きます。
                                                                       

※延期としておりました「文学散歩の会」と「花幻忌の集い」は、

感染症の状況や会員の年齢層等の諸条件を鑑み、秋の開催を目指し

て再検討しております。決定次第、会員の皆さまには改めてお知ら

せさせて頂きます。

 

  広島花幻忌の会 ニュース

【 国立広島原爆死没者追悼祈念館   原民喜の遺影登録】

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    平和公園内のレストハウス南側にある、国立原爆死没者追悼館。

原爆死没者の尊い犠牲を銘記し、その体験を継承して平和な世界

を築くために2002年8月に開館した国の施設です。

  館内には、平和祈念死没者追悼空間があり、爆心地の「島病院」

付近から見た被爆後の街並 みを死没者数と同数のタイルを使い、

パノラマで表現。遺影コーナーでは、原爆死没者の名前と遺影を

公開し、亡くなった方々の被爆時の状況及びその後の経緯などの

事実を伝えています。この祈念館に2020年5月11日、遺族・原時彦

さん(民喜の甥・著作権継承者)によって、原民喜の遺影が登録され

ました。

 

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上 2020年5/12読売新聞

下 2020年5/12中国新聞

 

  登録された情報は、公開・非公開を選ぶこと もでき、プライバシー

等への配慮もなされています。しかし被爆後60年近く経過して設立さ

れたこともあり、未だ登録されていない方々が多くいらっしゃるのが

現状です。「ここに登録しておけば、永久に被爆の記録を残すことが

できる。原民喜の登録が多くの被爆者の方々の登録の契機となれば…」

と、広島花幻忌の会の長津事務局長。同館では民喜に続き、

5月21日、被爆作家・太田洋子さんの遺影も登録されました。

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 (上の写真は地下2階の遺影コーナー。登録された方を検索し、

画面上で確認することができます。)

  同館には他に体験記閲覧室や被爆体験を聞くための研修室など

もあり、情報展示コーナーでは現在「時を超えた 兄弟の対話」

というタイトルの企画展が催されています。画家・四國五郎さん

の作品と、被爆死した弟、直登さんの残した日記を中心にした

展示です。

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  展示室中央の大画面に映し出される映像に添えられているのは、

俳優・木内みどりさんによる、心のこもった朗読音声。

昨年秋、急逝される直前に収録されたものです。

被爆75年の夏、皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか。

 


【 コロナ禍の中での会の活動 】

 

  突然世界中に襲いかかってきた、新型コロナウイルス感染症

広島花幻忌の会でも、春の集いや文学散歩の延期を余儀なくされています。

多くの方々にお 集まり頂く催しに関しては会員の年齢層を勘案した結果、

感染症が落ち着くまで延期しておりますが、原民喜文学の研究・継承の

活動は細々と続けています。

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   上の写真は、今年の夏に広島市内の高校で行われる平和学習のため、

原民喜詩碑前でビデオに向かい、生徒たちに語りかける原時彦さんの

様子です。

  コロナ禍の中にあっても、電子黒板やオンライン授業の普及により、

新しい形での継承活動が可能であることを実感しています。

被爆体験を風化させないため、世話人・会員有志らが力を合わせて会の

活動を続けています。

   広島花幻忌の会では長年に渡って原民喜に関する講話・レクチャー・

フィールドワークなどを、公民館や学校・サークル等の依頼に応じて

顧問・原時彦さんと会員らのボランティアで行ってきました。

自主制作DVDや会作成の小冊子など、工夫を凝らしたオリジナル資料も

徐々に整えてきています。

  講話等の依頼は随時受け付けておりますので、事務局までお気軽にお

問い合わせください。

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八幡公民館での講話

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  広島市内小学校でのレクチャー

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フィールドワーク(文学散歩)

 

※  会報や朗読会等の活動経費は会員年会費2000円で賄っており

    ます。会員の方々は会費の納入にご協力頂けましたら幸いです。

    新規入会などご不明な点は、事務局までお問い合わせください。

                                     連絡先     mail  hananomaboroshi@yahoo.co.jp

                                                  📞 090-9065-5345 (事務局 長津)

 

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

原民喜 #平和 #ヒロシマ #花幻忌 #平和学習 #語り継ぐ

 

 

 

2020年「花幻忌の集い」延期のお知らせ

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 現在発生しております新型コロナウィルス感染症の情勢を鑑み、

ご参加の方々の安全を考慮しました結果、3月15日(日)に予定して

おりました「原民喜 花幻忌の集い」の開催は、延期と決定させて

いただくことになりました。

 開催を楽しみにしていただいていた皆さまには大変ご迷惑を

おかけし、深くお詫び申し上げます。

 

 改めての開催時期につきましては状況が回復次第、再設定する予定です。

内容に関しましても可能な限り2月の会報やブログでお知らせしました

プログラムのまま移行するよう尽力いたします。

 

 なお、会員各位には2月の会報「近状通信」にて4月5日(日)の「ふるさと

文学散歩」のご案内を郵送させていただいておりますが、こちらも併せて延期

致します。たくさんのお申込みを頂きましたのに、申し訳ございません。

状況が落ち着いて参りましたら再度日程をお知らせさせていただきます。

 

ご不明な点がございましたら、事務局までお電話かメールでお問い合わせ

くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

                                                    広島花幻忌の会 事務局長 長津 功三良

                                                           ☎︎  090-9065-5345 

                                                         mail  / hananomaboroshi@yahoo.co.jp

 

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2020年 原民喜 花幻忌(命日)の集いご案内

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 2020年 原民喜 花幻忌の集いご案内

         ー  被爆75年  「あの日を私は忘れない」 ー

 暦の上では春とはいえ、まだまだ不安定な気候が続いています。

被爆75年目を迎え、戦争を知る方々の高齢化も益々進んでおり

ますが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか。

  さて、今年も3月13日、原民喜の命日が近づいて参りました。

会ではこれに併せ、3月15日(日)、恒例の花幻忌(命日)の集いを

開催いたします。

  今回作品朗読をして下さるのは、平和に関する通訳活動をする

団体、Link Hiroshima の皆さんです。昨年、広島花幻忌の会の

レクチャーを受けて民喜作品に関する造詣を深め、この度は日英

両言語による作品朗読にチャレンジされます。

  朗読の後は、原爆投下翌日に広島市入りし、原爆による惨状を

目の当たりにした河野きよみさんから、貴重な被爆体験をお聞き

します。河野さんは2003年、自らの目にした惨状や被爆体験描い

た絵本「あの日を私は忘れない」を出版。当日は、スクリーンに

絵本を映写しながら体験を語ってくださいます。また、当会顧問

原民喜の甥の原時彦さんには、母・原良子さんの証言を語って

頂きます。小説『夏の花』に描かれた場面を、登場人物として描

かれた良子さんの視点から捉えた、大変貴重な記録です。

  皆さまどうぞお誘い合わせの上、是非お越し下さいますよう、

ご案内申し上げます。

                                                                (参加無料、予約不要) 

日時      3月15日(日) 午後1時半~4時頃

ところ    広島市中区西白島町24-36

             中央公民館3F 大集会室1

                       (電話 082-221-5943)

【 プログラム 】

献花 黙祷 開会の挨拶


②  作品朗読  平和通訳サークルLink Hiroshima の皆さん  

        ( 若干の飛び入り朗読も歓迎します。

                お気軽にご参加ください。)

③ 絵本作家・語り部     河野きよみさんのお話

「あの日を私は忘れない」

                                    《  休憩   》

④  『夏の花』に描かれたあの日      

        (原良子さんの証言   伝承・原時彦さん)     

⑤  事務局からお知らせ  閉会の言葉                  

                                                      (終了予定16時頃)

 

【 Link Hiroshima さんの自己紹介 】

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 はじめまして。私たちのグループ「Link Hiroshima」

(リンクヒロシマ)は、海外 から平和記念公園を訪れる

外国人来訪者に向けて、英語で慰霊碑、原爆、広島につい

ての説明ができるよう毎週集まって勉強しています。

定期的に被爆者の方や専門の先生など、各分野 のトピック

に詳しい方をお招きして勉強会を開き知識を深めるよう

努めています。「花幻忌の会」様とはこの勉強会を通じて

ご縁をいただきました。皆様どうぞよろしくお願い致し

ます。


  ※ 写真は会のレクチャーを受け、民喜文学を学ぶ皆さん

 

【  河野きよみさんプロフィール  】

 1931年、広島市安佐北区生まれ。1946年8月7日、女学校2

年生の時、入市被爆。その記憶を「原爆の絵」に描き、絵本

「私は忘れない」を出版。

2003年頃から若い人たちに向けて様々な場で被爆証言活動を継続。

米国ミズーリ州ワシントン州オレゴン州ニューメキシコ州

での大学、高校、中学での証言も行う。

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 河野さんは広島県向原の出身。原爆投下の翌日(8月6日)、当時

広島市におられた2人のお姉さんを探すため、お母さんと2人で

市内に入りました。

「あの日に目にした、悲惨で恐ろしい光景は決して忘れられ

ません」。

河野さんは、二度とあってはならない悲しい出来事を伝えるため

絵本を著し、長年に渡って若い方々に戦争の悲惨さと平和の尊さ

を伝える活動を続けています。当日は絵本をスライド映写し、

体験をお話し頂きます。

 

《 2020年1~3月  原民喜関連の催しや出版物・ニュースなど》

   【 三田文学 2020年冬号発売  】

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            長光太は長生きしてくれ   ー「遺書」に見る民喜の祈りー 

昨年秋に北海道立文学館で発見された、原民喜の遺書。広島で中学

在学時代から親交を育み、生涯の友となった長光太(本名 末田信夫)

に宛てたものです。(その他、書簡数通も同時発見。)

  今年 1月に発行された「三田文学」冬季号には、発見に至る経緯

や考察が、発見者で同館理事長の平原一良氏による品格ある文章

によって 綴られています。

 「これが君におくる最後の手紙です…(中略)…為しとげなかった

文学の仕事や数々の心の傷手が僕にとつて残念だらうか…(中略)

では、お元気で…。長光太は長生きしてくれ。」(遺書抜粋)

 広島での少年時代から生涯の友情を培った2人の軌跡に触れつつ、

時空を超えて祈りにも似た言葉に触れた感動が、民喜と長への愛

に溢れる躍動的な筆致で描かれています。ただ今全国の書店などで

発売中です。

【  北海道立文学館にて 民喜資料展示中 (12/20~3/22)  】

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 北海道立文学館では、上記資料他、長光太と民喜に関連した資料の展示も始まっています。 

展示文には長と民喜がどのような経緯で親交を深めていったのかも解説されており、2人の友情によって育まれた文学への、文学館の熱意を受け取ることができます。北海道に行かれる際には、是非お立ち寄りを。

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【 2020年度 センター試験問題に原民喜作品】                                                   

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 今年で最後となった、大学入試センター試験

その国語問題に、原民喜が1948年(昭和23)に『明日』11月号に発表

した短編小説「翳」の抜粋が出題されました。

  魚屋で働く青年ら市井の人々の日常に、戦争の翳がじわじわと静か

に覆い被さり、死の翳のように浸食してゆく様子が描かれる短編小説。

作者は多くを語らずとも、戦争の悲しさや虚しさに胸を締め付け

られる…そんな読後感を抱かせる、民喜らしい作品です。

全文は講談社文芸文庫原民喜戦後全小説」で読むことができます。

民喜作品に多くの若者たちが触れ、また考えてくれたことに大きな

意義があるでしょう。

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【 広島花幻忌の会へのお便り】

  2000年から始まった、ささやかな会の活動も既に20年が経ちま

した。会発足以降、様々な方々が会の催しに参加してくださり、

会員非会員を問わず、多くの方々と心温まる交流を育んでこられた

ことに、世話人一同感謝の気持ちで一杯です。催し終了後には、

参加者の方から感想やお便りを頂くことも多々あり、大変嬉しく

存じております。今回は、そんな声の一部をご紹介させて頂き

ます。

広島女学院高校3年 中原奏さんより

  ※2017年8/15朗読会で朗読をする奏さん。

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【  私は小中高生時代、何度も花幻忌の会の作品朗読に参加さ

せて頂き、朗読によって自分の表現で大勢の人に平和を訴え

られる楽しさを知りました。

  詩の朗読をする時には言葉の意味や背景などを想像し、

抑揚や速さを変えながらどうすれば平和への思いが伝わるだろう

かと考えながら朗読しました。そうすること で平和とは何だろう

か、自分に何ができるだろうかと考えるようになりました。

 小さな一歩かもしれませんが、自ら平和のために行動すると

いうのは、とても気持ちのよいものだと実感しました。

  また韓国の学生との交流は、自らの平和観を考えなおすきっかけ

となりました。自分の持っている価値観を問い直し、新しいものを

柔軟に受け入れていくことも平和への第一歩だと分かりました。

大学生 になっても花幻忌の会での学びを生かしていきたいです。】 

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※中学生の頃の奏さん(右端)。

2015年被爆70年24時間チャリティーコンサートに

広島花幻忌の会 青年部として出演。

朗読を3ヶ国語で翻訳するウルシュラさん、

シター奏者白井朝香さんも一緒です。

  左の2人の小学生たちも、今では何と中高生。

実は…このブログは、この子たちが開設して管理を一手

に担ってくれているのです!

頼もしい次世代たちが、どんどん成長してきています💕

 

※下の写真は、2018年フィールドワーク&学習会 。

韓国の留学生たちと民喜について学びました。

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 奏さんは、中高時代6年を通じて平和に関する様々な活動

を続け、この度大阪大学人間科学部推薦入試に合格。

大学でも平和を築くための勉強を続けていくそうです。

このように若い人が育ってきてくれたこと、大変嬉しく感

無量です。

感想本当にありがとう!これからに期待しています!!                                                                      

                                         

★ 秋の文学散歩に参加された、Y・Sさん(80代 女性)より

 【 先日は秋の麗らかな日差しの中、文学散歩に参加させて頂き、

大変有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうござい

ました。

  私は古い会員で、前々から歩いてみたいと思ってはおりまし

たが、長距離に自信がなく、今回分割コースのお知らせを

見て、初めて参加致しました。

 西区横川方面で被爆した私があの日目にしたのは、一面が焼け

野原で横川から宇品方面まで見渡せるヒロシマ。原さんのお話

を聞きながら、数十年ぶりにその光景がありありと思い出され、

それらが原さんのお話と重なり、色々な古い記憶が蘇って参り

ました。…中略…

   若い方の姿も見られ、原民喜さんの言葉を共に味わえたことも

嬉しいことでした。カフェタイムには参加者相互の語らいも

でき、大変良かったと思います。松本清張中原中也、古くから

伝わる伝説など、地域文学を網羅した「文学散歩のしおり」も大変

興味深く、読み応えがありました。これからも民喜さんの言葉に

自らの体験を重ねつつ、平和を祈り続けたい、との思いを新た

にしたことです。】

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※2019年秋の文学散歩の様子

 

 嬉しいお便り、ありがとうございます。

 秋の文学散歩は大変好評で、当日参加できなかった方や、参加者

の方の口コミを聞いた方からアンコールリクエストを多数頂き、

4月5日(日)の午後、再度同じコース(民喜被爆地~京橋川沿い)での

催行を決定しております。

 また、5月には続編コース(幟町小学校内のぼり平和資料室

縮景園)を企画しており、近藤芳美旧宅跡や阿川弘之らの

作品なども併せて楽しめるよう企画中です。

 詳細は改めてブログなどでお知らせさせて頂きます!

  今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。(事務局)


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 上は広島FM放送 ウィメンズ

ハーモニーネット版より。(2019,12,13放送)

 

※会の活動は会員の方々の会費によって賄っております。

年会費は2000円です。どなたでも入会可能、会員には

年3回の会報やお知らせの郵送、既刊の会誌、単行本の進呈など

特典があります。新規会員も募集中です。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

ご不明な点は事務局長津までお問い合わせください。

広島花幻忌の会

代表    友光民子(原民喜遺族)  

顧問 原時彦(原民喜遺族・著作権継承者)

    事務局長 長津功三良  📞 090-9065-5345

メールアドレス hananomaboroshi@yahoo.co.jp

 

#原民喜  #花幻忌 #平和 #朗読 #平和公園 #語り部  #センター試験国語 #文学研究 #青少年育成 

#夏の花

 

     

      

  

       

 

     

 

 

 

2020年 新年のごあいさつ ー新春の催しのご案内ー

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明けましておめでとうございます。

昨年も皆さまのご支援・ご厚意により、ささやかではありますが、

会の諸行事を滞りなく終えることができました。

厚く御礼申し上げます。

2020年は被爆75年に当たります。

被爆者の高齢化も進み、被爆体験の風化が懸念されている今、

原民喜によって紡がれた言葉も、益々重みを持つものになってくること

でしょう。

今年も会では様々な企画を予定しております。

引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

                                               広島花幻忌の会 事務局長 長津功三良

 

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【 冬の関連行事 ごあんない】

新年も色々な行事が行われています。

① 12/1〜1/31 広島市立中央図書館での展示

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昨年12月1日より今年1月末まで広島市立中央図書館の2階展示スペースにて、

広島ゆかりの詩人たちの作品や資料などを紹介する展示が行われています。

呉市出身の詩人・黒田三郎 関連資料をメインとしながら、小山内薫

峠三吉原民喜栗原貞子など様々な詩人も網羅した展示です。

詩人たちの生涯と作品、広島の近代詩壇の概観を知るには非常に優れた構成

になっています。会期は月末までです。

 

② 北海道立文学館では民喜資料の展示が始まりました。

(2019年12月20日〜2020年3月22日(日)まで)

昨年末に発見された書簡や遺書などの公開です。

北海道に行かれる便のある方は是非お立ち寄りを。

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北海道新聞(2019/11/22)には同館理事長の平原一良さんの解説記事が

掲載されました。

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平原さんの解説詳細は、三田文学1月10日号で発表予定です。

発売を楽しみにお待ちください。

http://www.h-bungaku.or.jp/ (開館時間など詳細は北海道立文学館ホームページで。)

 

③ 広島文学保全の会からのお知らせ

1月1日から12月29日までの会期で、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館にて、

四國五郎さんと弟の直登さんの日記を中心とした展示が始まりました。

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館内で上映される映像の音声は、昨年11月に急逝された木内みどりさん

によるものです。

図らずも「遺作」となってしまいましたが、「心のこもった

素晴らしい映像作品になっています」と関係の方々。

木内さん、本当にありがとうございました。

感謝とともに謹んでご冥福をお祈りいたします。

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(上の写真は2019年8/15の原爆詩・反戦詩を読む市民朗読会の折のもの。

絵本「おこりじぞう」を掲げる木内さんと、四國五郎さんのご子息・四國光さん)

 

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会では原民喜命日(3月13日)にちなみ、今年も3月15日(日)に広島市中央公民館で

花幻忌の集いの開催いたします。

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集いには昨年度、原さんや会員のレクチャーを受け、原民喜についての学びを深めた、

平和ガイドグループ Link Hiroshima の方々も参加予定です。

(写真は原民喜について学ぶLink Hiroshimaの皆さん)

 

詳細は2月の近状通信(会報)やブログでお知らせ致します。

(文学散歩リクエストも沢山の方々から頂いており、

引き続き催行予定です。)

 

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

皆さまにとって幸多き年でありますように祈念しております。

                                広島花幻忌の会   事務局電話番号090-9065-5345(長津)

                                                            メールアドレス hananomaboroshi@yahoo.co.jp

           

 

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(写真は昨年12/3 中国新聞に掲載された記事)

 

 #原民喜  #花幻忌  #北海道立文学館  #平和  #被爆75年  #朗読  #被爆75年 #四國五郎  #木内みどり