2020年 新年のごあいさつ ー新春の催しのご案内ー
明けましておめでとうございます。
昨年も皆さまのご支援・ご厚意により、ささやかではありますが、
会の諸行事を滞りなく終えることができました。
厚く御礼申し上げます。
2020年は被爆75年に当たります。
原民喜によって紡がれた言葉も、益々重みを持つものになってくること
でしょう。
今年も会では様々な企画を予定しております。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
広島花幻忌の会 事務局長 長津功三良
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【 冬の関連行事 ごあんない】
新年も色々な行事が行われています。
① 12/1〜1/31 広島市立中央図書館での展示
昨年12月1日より今年1月末まで広島市立中央図書館の2階展示スペースにて、
広島ゆかりの詩人たちの作品や資料などを紹介する展示が行われています。
呉市出身の詩人・黒田三郎 関連資料をメインとしながら、小山内薫、
詩人たちの生涯と作品、広島の近代詩壇の概観を知るには非常に優れた構成
になっています。会期は月末までです。
② 北海道立文学館では民喜資料の展示が始まりました。
(2019年12月20日〜2020年3月22日(日)まで)
昨年末に発見された書簡や遺書などの公開です。
北海道に行かれる便のある方は是非お立ち寄りを。
北海道新聞(2019/11/22)には同館理事長の平原一良さんの解説記事が
掲載されました。
平原さんの解説詳細は、三田文学1月10日号で発表予定です。
発売を楽しみにお待ちください。
http://www.h-bungaku.or.jp/ (開館時間など詳細は北海道立文学館ホームページで。)
③ 広島文学保全の会からのお知らせ
1月1日から12月29日までの会期で、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館にて、
四國五郎さんと弟の直登さんの日記を中心とした展示が始まりました。
館内で上映される映像の音声は、昨年11月に急逝された木内みどりさん
によるものです。
図らずも「遺作」となってしまいましたが、「心のこもった
素晴らしい映像作品になっています」と関係の方々。
木内さん、本当にありがとうございました。
感謝とともに謹んでご冥福をお祈りいたします。
(上の写真は2019年8/15の原爆詩・反戦詩を読む市民朗読会の折のもの。
絵本「おこりじぞう」を掲げる木内さんと、四國五郎さんのご子息・四國光さん)
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会では原民喜命日(3月13日)にちなみ、今年も3月15日(日)に広島市中央公民館で
花幻忌の集いの開催いたします。
集いには昨年度、原さんや会員のレクチャーを受け、原民喜についての学びを深めた、
平和ガイドグループ Link Hiroshima の方々も参加予定です。
(写真は原民喜について学ぶLink Hiroshimaの皆さん)
詳細は2月の近状通信(会報)やブログでお知らせ致します。
(文学散歩リクエストも沢山の方々から頂いており、
引き続き催行予定です。)
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
皆さまにとって幸多き年でありますように祈念しております。
広島花幻忌の会 事務局電話番号090-9065-5345(長津)
メールアドレス hananomaboroshi@yahoo.co.jp
(写真は昨年12/3 中国新聞に掲載された記事)
#原民喜 #花幻忌 #北海道立文学館 #平和 #被爆75年 #朗読 #被爆75年 #四國五郎 #木内みどり
2019年 原民喜 生誕祭ご報告
1905年11月15日は原民喜の誕生日。
広島花幻忌の会では毎年この日前後の週末に、ささやかな生誕祭
を行っています。民喜が生きていたら114回目に当たる今年は
去る11月16日(土)、広島市中央公民館にて恒例の集いを行いました。
秋の行事は、様々な文化的催しと重なっており、例年参加者が少ない
傾向にありますが30名もの方々にお集まり頂き、大変和やかな心温まる集い
になりました。
皆さまのご厚意に感謝しつつ、ご報告申し上げます。
遺影前に献花し、民喜と全ての原爆犠牲者の方々に黙祷を捧げます。
今回の朗読ゲストは、舞台経験者の朗読研究会「リーディング・ノッテ」
に所属し、日夜研鑽に努めながら表現活動を続けておられる高田裕志
さんです。
朗読作品は民喜の遺作「心願の国」(抄)(1951年5月「群像」初出)。
小さなランプの灯が揺れる空間に、
どこからか小鳥のさえずりが聞こえ、言葉が静かに木霊してきます。
『夜明け近く、僕は寝床のなかで小鳥の啼声をきいてゐる…
含み声の優しい鋭い抑揚は美しい予感にふるえてゐるのだ…』(「心願の国」より)
繊細で優しい言葉を奏でるように、また時に戦慄し震え慄く情感をたっぷりと。
そして最後は、微かな希望を抱いて飛び立つ小鳥のような…。
ひとつひとつ丁寧に吟味されて甦った言葉が、会場内にいる方々の心を
作品世界に引き込んでいきました。
言葉の世界にうっとりと酔いしれるような会場の雰囲気です。
最後は「かけかへのないもの」「朝の闇」など4つの詩篇で締めくくりに。
「声だけで情景が目の前に浮かび上がるような体験をさせて頂きました」
と、初めて参加した方々からも喜びの感想が。
高田さんの朗読によって紡ぎ出された素敵なひととき、民喜もきっと
喜んでいるに違いありません。
続いて事務局並びに会顧問(原民喜の甥・著作権継承者)の原時彦さんより、
北海道文学館で発見された民喜資料(長光太宛遺書、書簡など)についての
報告を。
遺書も書簡も、民喜が若き日に育んできた友情が偲ばれる内容。
を伝える書簡類など、今後の研究にも非常に貴重な資料と言えましょう。
北海道文学館からはご遺族や広島に対して再三非常に丁寧なご報告を頂いて
おり、広島の遺族・会世話人らも一同感謝している、と原さん。
北海道では来月末くらいから公開が予定されているそうです。
広島でも応援したいと検討中です。
また2019年4月より広島花幻忌の会世話人会は新体制に変わっており、
会員諸兄姉らに改めてその報告がなされました。
世話人会代表に原時彦氏長女・友光民子氏が就任。(写真右に立つ友光氏。
原時彦氏が後継者に指名されています。)
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
休憩を挟み、会事務局長で詩人の長津功三良さんの講演です。
(「わが基町物語」を巡ってー)
昨年夏に上梓された、長津さんの「わが基町物語」は、
敗戦後間もなく移り住んだ基町の被災者急造バラックでの
暮らしを綴った詩集です。長津さんの青春時代の思い出は、
全てこの地域の風景とともに…。
「天井がなく屋根だけで雨漏りは再々。水道は共同でした」。
朝は3時半に起き、家業であった新聞販売店の仕事を手伝っていた
長津さん。『冬の 雨の朝は 辛かった/ ろくな履き物もなく
素足に 下駄くらいで/手足が かじかんで/ あかぎれや 霜焼け
などが よくできた/薬は ない…』
『白骨の 堆積した/街は/あれから/変わっていないの
だろうか/ 生温かい 風が吹く/ 黒ずんだ/風が/吹く』
『やはり/あたりには/揺らめきながら/かすかに 舞う
/影たちの 群れ/…ひろしまには/いつも どこか/そんな
/場所が ある…』 (「わが基町物語」より)
70年以上経つ記憶が、現在の風景の中で立ち上がります。
などを含め、戦後生まれの世代には当時を知る非常に貴重な体験談。
会場内には、当時同じ地域で過ごした方々が幾人かお越しに
なっており、発言する方々も大変多く、分かち合いも和気藹々。
幼な馴染みの方から広島弁で語りかけられ、一瞬驚く長津さんの反応
に、会場内が微笑みに包まれるシーンもありました。
また、基町プロジェクトの皆さまには、貴重な写真を満載した資料の数々を
参加者全員に対して配布できるよう、ご手配頂きました。
ささやかな集いのために、多くの方々のお力添えを頂きましたことに対し、
この場をお借りして心より御礼申し上げます。
広島市立大学・基町プロジェクトの皆さま、本当にありがとうございました。
#原民喜#平和 #心願の国#リーディング・ノッテ#基町プロジェクト#語り部
ふるさと文学散歩のご報告
朝晩はぐっと冷え込む季節になって参りました。
皆さま連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。
当会では、先般お知らせさせていただきました文学散歩を実施し、
無事に終了致しました。
連休中にもかかわらず、二十数名の方にご参加いただき、好天も相まって
作品の言葉とともに、秋の風景を楽しみながらのひとときを過ごしました。
ご協力くださいました方々に厚く御礼申し上げますとともに、
以下ご報告致します。
最初に、原民喜の甥・原時彦さんより民喜被災地である生家付近の説明を。
京橋通り(西国街道)を通って、先ずは旧町名(上柳町・下柳町)
関する不思議な伝説が残る、広教寺へ。
薬師堂の中には、町に蔓延した疫病を平癒し、町名を命名した南柳上人の
縁起が綴られた書き物が。(民喜作品には旧町名が多く出てきます。)
民喜の戦前の作品などに描かれている、明神さん(橋本町厳島神社・市杵嶋神社)の
前で、作品朗読や説明を。戦前の作品に触れていると、原爆の悲惨さが一層痛切
に伝わってくるようです。
京橋川辺を経由し、カフェでお茶を飲みながらホッと一息。
この地で過ごした幼年期をl回想して書かれた「三歳の記憶」(「在りし日の歌」収録)
などの中原中也の作品も味わったり、お話を聞いたり。
会員のウルシュラ・スティチェックさんもショートスピーチを。
民喜ゆかりの被爆柳前で案内文を読み、説明を聞く皆さん。
写真は昭和40年代の対岸の様子です。
辺りには、日本最大の雁木群が残っており、2007年土木学会の
「推奨土木遺産」に選定されています。
中原中也が幼年期を過ごした地を経由して栄橋まで行き、お開きです。
「初めてでしたが、とても有意義でした!」「今度はいつですか?」
など、嬉しい感想もいただきました。気候の良い時期に続編を開催致します。
知らせを楽しみにお待ちください。
また、去る11月3日には北海道立文学館で発見された民喜の新資料に関する記事が
会世話人らもコピー内覧させていただきましたが、どれも大変価値ある貴重なものでした。
北海道では公開が予定されており、広島でもこれを応援する関連企画を検討しています。
民喜と長光太が深い友情で結ばれていたように、広島と北海道も強い絆で結ばれている
のを感じます。
詳細決定しましたら、またお知らせ致します。
中国新聞に生誕祭の告知記事が出ました。
こちらにもお気軽にご参加ください。(予約不要・参加費無料)
#原民喜 #夏の花#広島#平和#朗読 #幼年画
2019年 原民喜生誕祭 ご案内 ー原民喜と「わが基町物語」ー
漸く秋らしい気候になり、渡る風も爽やかな季節となって参りました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
さて、今年も11月15日の原民喜生誕日が近づいて参りました。会では
翌日の11月16日(土)、恒例の生誕祭を行います。
今回は朗読のゲストとして、表現者として活動を続けておられる高田
裕志さんをお迎えし、また当会事務局長で詩人の長津功三良が、詩集
「わが基町物語」に描いた戦後間もない頃の基町界隈や、原民喜詩碑が
広島城址に建立された頃の様子などを語って、参加者の方々と街への思い
を分かち合うプログラムを予定しております。( 基町地区活性化を目指す
活動を行う「基町プロジェクト」の皆さんのご協力により、街の変遷を
撮影した貴重な航空写真パネルなどもご覧頂けます。)
中央公民館は、原民喜が1950年に日本ペンクラブ広島大会で講演を行っ
た、由緒ある会場です。(今年度から会は従来の活動に加え、広島市中央
公民館所属団体として地域文化貢献のための活動も開始致しました。)
皆さまお誘い合わせの上、是非お越し下さいますよう、ご案内申し上げ
ます。(参加無料、予約不要)
日時 11月16日(土) 午後1時半~3時半頃
広島市中央公民館3F 大集会室2
(電話 082-221-5943)
アクセス バス: 西白島町下車徒歩3分
【 プログラム 】
①献花 黙祷 開会挨拶
②作品朗読 高田裕志さん 「心願の国」より
※ その他若干の飛び入り朗読も歓迎致します。お気軽にご参加ください。
③『わが基町物語』を巡って ー長津功三良さんのお話と分かち合いー
④ 事務局より関連企画(11/4の文学散歩)の報告、閉会挨拶
(終了予定 15時半頃)
※お問い合わせは事務局長津まで。(090-9065-5345)
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※《 朗読ゲスト 高田裕志さん プロフィール》
2015年より舞台経験者の朗読勉強会「Reading Notte(リーディング・ノッテ)」
に所属し、2018年『朗読夜会第7夜~国貞えがく~』などに出演。
「ことばの美しさ、豊かさ、大切さなどを伝えてゆけたら…」と願って朗読を
続けておられます。
今回朗読される作品は「心願の国」(抄)。高田さんは昨年末、ギャラリー611
で行った読書会でこの作品の哀しく美しい文体に触れ、すっかり魅せられた
そうです。「『被爆』という特異な体験、敗戦直後の混乱した時代を背景に
しながら、『人間存在の不安』という普遍的なテーマが底流に流れていことに、
感銘を受けました。」と、高田さん。当日の朗読が楽しみです。
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※《 長津功三良 プロフィール》
1934年広島市生まれ。詩集『頭蓋の中の廃墟』詩論集『原風景との対話』
など、著作多数。詩集『影たちの葬列』第4回現代詩平和賞受賞。詩集『影
たちの墓碑銘』第9回小野十三郎賞受賞。文庫では土曜美術出版 日本現代詩
文庫35『長津功三良詩集』。
現在は山口県岩国市在住。日本現代詩人会理事・広島県詩人協会会長などを
歴任し、現在 中四国詩人会会長、広島花幻忌の会事務局長。
広島市で生まれ育った長津さんは、1934年(昭和9年)生まれ。千田町や稲荷町
などで幼少期を過ごしました。原爆投下時は疎開をしており被災を免れましたが、
終戦直後に再び広島へ。1947年(13歳)から1953年(18歳)までの青春時代を、基町
の急造簡易住宅で過ごしたといいます。
『 わたしの 基町は / 敗戦後 焼け跡の 見渡す限り 空洞(がらんどう)の ひろしま …』。
昨年夏に上梓された『わが基町物語』には、多感な青春期を、廃墟となった
ヒロシマで過ごした日々が綴られています。小学校時代の多くの友人を喪った長津
さんにとって、この詩集は友人知人に捧げる鎮魂の詩(うた)でもあります。
『 …何もかも 忘れようとして / ただ それぞれが こっそりと / 懐に 自分だけの 蒼く
光る石を 隠していた …』(『わが基町物語』より)
1951年11月15日(没後約半年後の民喜誕生日)に、基町の広島城址に建立された
原民喜旧詩碑。陶板に刻まれた「碑銘」と名付けられた4行詩に、当時高校2年
生だった長津青年は「真実の詩とは、こういうものか」と衝撃を受け、
「詩の世界へ引きずりこまれた」と、そのエッセイの中で綴っています。
当日は詩碑が平和公園に移設される経緯なども含めてお話を伺います。
上の写真は、当時の陶板。現在広島県立図書館に保存されています。
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【協力団体インフォメーション 】
今回の催しに写真パネルのご協力をくださる、「基町プロジェクト」
の活動をご紹介致します。若い方々が大変有意義な取り組みをされて
います。
「基町、昔の写真展Ⅳ」(2019年8月)
プロジェクトに参加する若い人たち
「基町プロジェクト」とは、基町住宅地区の活性化や魅力ある街づくり
を目指し、広島市が地元住民と連携しながら行なっている取り組みです。
実施に際しては中区役所と広島市立大学が連携し、若者が主体になった
創造的な文化芸術活動や地域交流を行なうなど、様々な試みを続けてい
ます。
(http://www.motomachiproject.net/)
☘️皆さまのご協力に厚く御礼申し上げます☘️
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【 2019年夏の行事ご報告 】
毎年8/15に広島文学資料保全の会と共催で行なっている、恒例の朗読会、
台風の中にもかかわらず多数の方が参加され、無事終了致しました。
「おこりじそう」の朗読をする、木内みどりさん。
素晴らしい朗読と、スクリーンに映る四國五郎さんの絵は、
会場の人たちを作品の世界に引き込んでゆきました。
四國五郎さんのご子息・四國光さんとの対談。
途中から、五郎さんに教えを仰いだ画家・ガタロさんも。
大変貴重なお話を聴くことができ、また無事に終了できました
ことに感謝致します。ありがとうございました。
#平和 #花幻忌 #原民喜 #基町プロジェクト #Reading Notte
「ふるさと文学散歩」のご案内
日時 11月4日(祝・月) 13:30〜15:00
集合場所 エリザベト音大玄関前
コース エリザベト音大~橋本町厳島神社~京橋~原民喜ゆかりの被爆柳
(散策途中、川辺のカフェにて朗読・説明タイム有り)
案内 原時彦さん(原民喜の甥)・広島花幻忌の会会員
参加費 お茶代・資料コピー代 500円
お申込み 事務局 長津(090-9065-5345) までお電話で。
(当日参加も可)
主催 広島花幻忌の会 (原民喜文学の研究会)
原民喜や中原中也の作品に親しみながら、秋の川辺を楽しみます。
身近なところに意外な歴史や逸話が!!
🌸高齢の方でもご無理なくご参加頂けます。
カフェ席の都合上、なるべく事前のご連絡を頂けましたら
幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます🌸
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広島花幻忌の会の発足当時(2000年)から、原家ご遺族の案内で
行なっている《原民喜の「夏の花」を歩くフィールドワーク》。
この活動は、会発足以前の昭和50年代からご遺族によって行われ
てきました。
昭和40年代と現在(2019年)の京橋。民喜が作品に描いた場所です。
上の様子は、昭和58年、遠藤周作や大久保房雄、佐々木基一ら東京花幻
忌会のメンバーも加わって「『夏の花』を歩く」様子。(市内最終地点
の東照宮から八幡に向かう途中、平和公園の民喜詩碑近くでの一コマです。
広島花幻忌の会の古い会員さんにも、既にこの時参加されていた方々が。
しかし近年は、参加したいが高齢で体力的に自信がない、気軽
に短時間の参加をしたい、という要望も聞かれるようになりました。
これに応え、このほど従来のコース(幟町~縮景園~円光寺~
饒津神社~東照宮(〜八幡))に加えて、これを分割してシリーズ化
した「ふるさと文学散歩」を企画致しました。
第1回目は栄橋付近までです。原民喜だけでなく、土地ゆかりの詩人や
作家の作品も楽しめます。皆さまお気軽にご参加ください。
(※ 従来の「『夏の花』を歩く」フィールドワークも、希望に応じて随時
催行しております。お問い合わせは、事務局090-9065-5345長津まで。)
↑中央公民館広報紙 より。文学散歩のお知らせやコラムなど。
↑広島花幻忌の会 パンフレット
( 顧問 原時彦 (遺族・著作権継承者) / 世話人会代表 友光民子(遺族)
/ 事務局長 長津功三良 📱090-9065-5345 )
2019年 原民喜 春の碑前祭「花幻忌の集い」ご報告②
休憩を挟んで、坂口博美さんの証言講話です。
中区小網町出身の坂口さんは、原爆投下当時小学5年生。ご自身は学童疎開をしており助かりましたが、建物疎開で細工町に移り住んでいたご両親をはじめ家族6人が亡くなりました。復員してきたお兄さんによって育てられ、本川小から第六中学(現在の江波中)へ。舟入高校在学時にこれらの体験を記し、その手記は原爆体験記集「原爆の子」に掲載されました。
坂口さんは戦後ABCC(放射能影響研究所)に職を得て、被爆者の健康調査などにも携わってこられました。「放射能の影響は、まだまだ分からんことが沢山あるんです」。
戦争と原爆に翻弄されてきた坂口さんの人生。その言葉は切実な重みがあり、参加者ひとりひとりの心にずっしりと響いてきました。
最後に、原民喜の甥で著作権継承者(広島花幻忌の会顧問)・原時彦氏のご厚意により、同館に保管されている民喜直筆原稿(「火の子ども」「鎮魂歌」「魔のひととき」「美しき死の岸に」の4作品)と、原爆被災時の手帳の特別公開がありました。
被爆の様子をリアルタイムで記し、民喜が小説「夏の花」を著す基になった手帳や貴重な直筆原稿の数々に、参加者の方々は熱心な眼差しで見入っていました。
「原稿も手帳も劣化が激しく、公開するのはこれで最後になるのではないか」と言う原時彦さんは「民喜の文字と言葉に触れ、平和への思いを深めてもらえたら」と参加者への願いを語られました。
この集いの様子は3月11日付中国新聞(上)や読売新聞(下) でも報道されました。
集いの開催にお力添えくださいました方々、足を運んで下さった参加者の皆さまに心より感謝致します。なお今回は不手際あり催しの事前告知をネット掲載できず、会報でのお知らせのみになってしまいました。深くお詫び申し上げます。(下は会報「近状通信」で紹介した朝日新聞(2019年1月9日付 関東版夕刊)記事。)
#原民喜命日 #花幻忌 #平和 #夏の花 #広島
2019年 原民喜 春の碑前祭 「花幻忌の集い」ご報告①
今日、3月13日は原民喜の命日「花幻忌」です。
広島花幻忌の会では今日に先だち、10日(日)に広島平和記念館東館 会議室にて毎年恒例の、命日の集いを行いました。
あいにくの雨天で参加者は若干少な目でしたが、参加者相互の交流ができる、心温まる会になりました。皆さまへの御礼と共にご報告申し上げます。
はじめに献花、黙祷を。
広島女学院中学生 による詩の朗読。民喜の詩「碑銘」「魔のひととき」「風景」「永遠のみどり」など、頑張って読んでくれました。
広島花幻忌の会 事務局長を務め、詩人としても詩作を続ける 長津功三良さんは
自作の方言詩を。
広島県詩人協会会員で詩人の八木真央さんによる、自作詩の朗読。
「ひかり」と「混色」。
心のこもった温かみのある作品でした。
その後、長崎から駆けつけてくださった、活水女子大学文学部教授・詩人の田中俊広さんのショートスピーチ。短い中にも民喜文学への深い造詣を感じさせられる内容でした。
続いて昨年末ギャラリー交差611で行われた「原民喜ーかすかにうずく星」展示の報告を。スライドを交えて語ってくれたのは、展示総合ディレクターを務めた、画家の手嶋勇気さんです。
上のスライドは、最終日のイベント(作家たちの座談会)の様子です。
会員で研究者の中村朋子さん(前広島国際大学教授)、ウルシュラ・スティチェックさん(広島大学非常勤講師)は、75もの言語に翻訳された原爆文学を検索できる「原爆文学検索サイト」についての報告と紹介を。大変貴重な素晴らしい研究成果です。本当にありがとうございました。(②へ続きます)
#原民喜 #花幻忌 #平和 #原爆詩 #永遠のみどり