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広島花幻忌の会(原民喜文学の研究・継承)

当会は、原民喜の文学を愛する人々の集いです。会からのお知らせを随時更新します。

2017年 原民喜生誕祭 ご報告

去る11月12日(日)、原民喜誕生日(11月15日)を記念して原民喜生誕祭を
平和記念資料館地下会議室にて行いました。
今回は広島花幻忌の会自主制作DVD「原民喜と辿るー想い出の廣島
続編(円光寺〜明治橋舟入八幡村)の初披露です。
映像や原時彦さんのお話とともに、民喜の足取りを追体験しました。
好天にも恵まれ、約40人の方々に足をお運び頂き、賑やかな会となりました。
厚く御礼申し上げます。

献花・黙祷

その後、恒例の作品朗読を。中学生の中原調さんは、「家なき子のクリスマス」
「魔のひととき」の朗読。
専門学校で表現を学ぶ学生さんらは「原爆被災時のノート」「鎮魂歌」
「永遠のみどり」他を豊かな表現力で。



大谷志津子さんによる栗原貞子の「ヒロシマというとき」朗読

その後、DVDを映写。映像は原民喜の眠る寺「円光寺」から出発。
東照宮から彼が馬車で辿った道を経由し、八幡村までを原時彦のお話を交えながら
辿っています。
「廃墟から」「永遠のみどり」などに登場する「舟入川口町の姉の家」
では民喜の姉のご遺族の談話や珍しい遺品などもあり、皆さん食い入るように
見入っておられました。資料でも舟入・江波・天満周辺の記述に着目。
民喜作品は、被爆直後の広島市の記録としても貴重なものだと実感しました。

映写の後は、民喜の甥・著作権継承者である原時彦さんのお話。
民喜と過ごした八幡村でのこと、戦中戦後の市民の暮らし、また原爆後遺症に悩まされた
兄・邦彦さんのことなど、作品抜粋を交えながら語って頂きました。

「戦後の窮乏が私たちの想像を絶するものだったことを知り、驚いた。
特に被爆者にとっては、後遺症の出てくる被爆後が苦しみの始まりなのだと実感した。
核の恐ろしさを再認識させられる。」という若い方の感想が心に響きました。